中は、夏物の、絽の襦袢に、単の着物、袷の羽織・・・
変な、気分である。
夏、春、冬物を、着ているのである。
そして、セブ島・・・
ああ、朝夕が、涼しい、いや、寒い。
夜は、もっと、寒い。
フィリピンは、今は、乾期の時期と、思いきや、セブ島、ネグロス島は、雨季なのである。
雨が降ると、益々寒い。
日本の冬物の、ジャンバーを着ている人もいた。
勿論、気温は、寒いといっても、20度はあるはず。
私は、暑い国というイメージを強固に持っていたので、寒くても、半袖。さらに、タイパンツ姿である。
そして、悪いことに、泊まるホテルは、古くて安いか、ゲストハウス。
夜も、送風が必要なのである。
臭いから・・・
イメージというのは、恐ろしい。
南国なのだという、思いが、薄着にさせる。
後半、くしゃみをして、鼻水が出て、ああ、今は、寒いと、納得した始末である。
飛行機は、セブ島直行便。
最初は、セブシティに入る。
前回も、泊まったホテルである。
観光地は、マクタン島である。
セブシティに泊まり、ネグロス島に行く、二日前に、マクタン島に、移ることにした。
一月の第三日曜日は、年に、一度の、お祭り、サントニーニョ祭があるという。
それで、ホテルの値段が、高くなっていた。
900ペソが、1000ぺソである。2000円。
ツーベッドルームである。
バッグを、六個。とても、大変な荷物。支援物資である。
コータのバッグの、半分も、支援物資。
兎に角、支援物資である。
だが、国内線に乗る前に、少し、支援をして、少なくしなければならない。
その前に、日本でも、荷物の分量が多く、機内持ち込みにしたほど。
50キロ以上は、持ち出したことになる。
セブシティでは、二日の間に、以前のストリートチルドレンに、逢うという。
とても、嬉しかった。
まず最初の、子どもは、すぐに、私を見つけた。
一緒に食事をすることになる。
着いた、翌日の朝のこと。
それで、彼の友達にも、パンを買って渡した。
驚いたのは、彼は、自分の注文したチキンと、ご飯を、三分の一食べると、他の、友達に、渡したことである。
さらに、私に、何も要求しないのである。
それは、翌日の、子供たちも、そうだった。
六人組みの、ストリートチルドレンが、目に入った。
見覚えのある顔。
あーーーー
元気・・・
一人の子が、私に、服を貰ったと、言う。
そうそう。
しかし、何も、要求しない。
彼らは、金にするために、ダンボールを集めて歩いていた。
その時に、渡さなければ、時期を失うストリートチルドレンが、私に、何も要求しないという・・・
実に、驚いた。
その驚きは、この旅の、驚きと、重なる。
多くの、驚きがあった。
私は、彼らの友達になっていたのである。
だから、要求しないと、気づく。
新しい子供たちは、私に、手を出す。物乞いである。
翌日も、その場に、行くと、子供たちが、手を出すので、パンを買う。
どこかで、私の行動が、見られている。
さらに、大人までも、手を出す。
ストリートアダルトたちである。
お金ではなく、食べ物を上げると、ストリートアダルトたちも、ニセモノの、バイアグラや、コンドームなどを、売りつけないことも、知った。
コータと、食事をした後、コーヒーを飲みながら、ホテルに戻る途中、向こうから、中学生くらいの、女の子三人が、やってきた。
私は、子供たちに上げた、パンの残りを、一つ持っていた。
ばったりと、私たちの、前に来た。
そして、手を出す。
パンを一つ渡すと、コーヒーも、欲しいと言う。
それが、とてもスムーズで、堂に入っていた。
私も、コーターも、コーヒーを渡した。
サンキュー
すれ違いざまの、行為である。
セブシティは、そんな、子供たちと、大人たちで、溢れている。
だが、観光地のマクタン島は、まだ、酷いのである。