2016年06月06日

玉砕129

3月20日、未明、九州南端宮崎県、都井岬の東方320浬附近に、南下中の米空母二群が、発見された。

その上空に、直衛戦闘機が見当たらないことから、宇垣長官は、損傷艦であると、判断した。
この機を逃してはならぬと、彗星艦爆隊が、発進する。

更に、翌21日、小型体当たり機、桜花を腹に抱いた、一式陸攻の通称「神雷部隊」を出撃させ、米機動隊に、トドメを刺そうとした。

この日の神雷部隊の編成は、一式陸攻一八で、第一神風桜花特別攻撃隊、神雷隊、攻711隊長野中五郎少佐が直接率いて、出撃することになった。

部下で、分隊長の甲斐弘行大尉が、
隊長、今日は私をやってください。
と、代わりを申し出たが、たちどころに、拒絶された。

勿論、未帰還、玉砕である。

それも、直衛戦闘機が見えないどころか、早くからレーダーに捕捉され、60浬も前方に、150機のグラマンが、待ち受けていた。

陸攻は、桜花を捨てて、応戦したが、旧式爆撃機が、新鋭戦闘機に勝てるわけが無い。

ここにおいて、これまでの戦果報告に疑惑が、生じたのである。

この三日間に渡る、「九州沖航空戦」は、結果から言えば、米機動隊が、残る13隻の空母を再編制して、そのまま沖縄上陸作戦の、支援準備にかかったのである。

米空母四隻を、戦列から落伍させたが・・・
その代償として払った犠牲も、多いのである。

日本側は、300機以上が、失われてしまった。

しかも、本州、四国にあった、三航艦、および十航艦が、九州に進出し、展開を終えるのが、四月に入ってからではないと、無理だという。
こうして、基地航空部隊は、米軍の沖縄上陸という、最も重要な時期に、支援したくても、出来ないという、状況に追い込んだのである。

ちなみに、ここで言う、桜花、おうか、とは、特攻隊の遺文、遺書でも書いたが、その名の通り、桜の花のように散るという、攻撃法である。

頭部に、1,8トンの爆薬を装備し、母機である一式陸攻の腹に抱かれて、目的の10浬附近まで運ばれ、突撃するのである。
特攻である。

さて、3月23日、沖縄は、米機動隊の艦載機、延べ350機にのぼる、強烈な空爆を受けた。
更に、翌日、沖縄本島沖合いに、駆逐艦を従えた、戦艦郡30隻が現れ、猛烈な艦砲射撃を開始した。

朝から夕方まで、断続的に、知念半島、南西の喜屋武地区にかけて、おびただしい砲弾を撃ち込む。
同時に、朝七時頃から、延べ600機にのぼる艦載機が、襲い掛かる。

3月25日、沖縄本島の南東70~170浬の海域に、三郡の機動部隊である。
沖縄本島周辺の米艦艇は、70隻に達した。

そして、ついに、26日、米軍は、慶良間列島に上陸する。

豊田連合艦隊長官は、沖縄方面の戦機が熟したことを知り、3月25日20時、「天」一号作戦、つまり、沖縄作戦を下令し、翌日、発動した。

同時に、三航艦、十航艦に足して、宇垣長官の指揮下に入れて、九州への至急進出を命じたが、両部隊が実際に兵力の展開をし終えたのは、3月31日である。

陸軍では、第六航空軍が「天」一号作戦に参加することとなり、3月19日、連合艦隊長官の指揮下に入ったが、九州進出は、遅れた。

ここから、悲劇の沖縄戦が、はじまる。

慶良間列島の攻略に成功した米軍は、26日から実施された、広範囲にわたる掃海と、29日以降の艦砲射撃の後、北、中部飛行場の、嘉手納海岸に上陸していた。

沖合いの海面は、おびただしい数の艦艇で埋め尽くされた。
米側の記録によると、英機動部隊を含めた各種艦艇1317隻、艦載機約1200機、人員は、45万人である。

4月1日、上陸開始である。
盛んな砲爆撃の後、第一、第六海兵師団、第七、第九十六歩兵師団の、第一派、三万人が、嘉手納海岸に殺到した。

だが・・・
覚悟していた、日本軍の反撃はなかった。
結局、その日のうちに、やすやすと、五万人の人員が上陸した。

そして、当日の夕刻には、大本営が重視していた、本島中部の、北、中飛行場を占領したのである。

この飛行場陥落には、訳があった。
そもそも、大本営の沖縄を中核とする、南西諸島の対する作戦構想の主眼は、来攻する米軍を、本島の周辺海上に釘付けして、以上の各島の航空基地、および、九州、台湾、華中海岸基地から、飛行機を飛ばして、集中攻撃を加えて、敵兵力を輸送船共に、沈めるというものだったのだ。

ところが、昭和19年12月、大本営は、台湾防備の急務を口実に、第三十二軍から、一個師団を抽出転用を決し、先の軍作戦計画を、根底から突き崩していまうのである。

その間のことについては、省略する。

つまり、結論を言えば、本土決戦を考えていたということである。
もし、本土決戦になれば・・・
沖縄以上の悲惨なことになっていただろう。

今となれば、本土決戦で、ボロボロにされていたら、沖縄の人たちも、被害者意識が薄れていただろうが・・・




posted by 天山 at 06:24| 玉砕3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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