2016年01月15日

玉砕95

25歳で、レイテ湾にて特攻死した、植村真久は、愛児素子に、遺書を残している。

私は、お前が大きくなって、りっぱな花嫁さんになって、しあわせになったのを見届けたいのですが、もしお前が私を見知らぬまま死んでしまっても、決して悲しんではなりません。お前が大きくなって、父に会いたいときは九段へいらっしゃい。そして心に深く念ずれば、必ずお父様のお顔がお前の心の中に浮かびますよ。

お母さんもまた、ご自分の全生涯をかけてただ素子の幸福のみを念じて生き抜いてくださるのです。必ず私に万一のことがあっても親なし児などと思ってはなりません。父は常に素子の身辺を護っております。優しくて人に可愛がられる人になってください。
お前が大きくなって私のことを考え始めた時、この便りを読んでもらいなさい。

素子が生まれた時おもちゃにしていた人形は、お父さんがいただいて自分の飛行機にお守りにしております。だから素子はお父さんと一緒にいたわけです。素子が知らずにいると困りますから教えてあげます。

この中で、九段とは、靖国神社のことである。
つまり、お父さんに会いたければ、靖国神社に詣出なさいということだ。

靖国神社に死後、戻るという、感覚である。
故に、靖国神社を他の、宗教団体の建物とは、違うと、理解しなければならない。

英霊は、皆、靖国で会おうと、戦死した。
その英霊の声を無視するのは、冒涜である。

靖国神社は、一宗教施設ではないこと、明々白日である。
追悼慰霊の場であるということ。

問答無用である。

特攻隊員の凄さは、群がる敵機の執拗な攻撃や艦艇から繰り出される猛烈な弾幕をかわしつつ、目指す目標に突入してゆく、たぐい稀なる勇気にあるといわれているが、だが本当の凄さは、迫り来る死の恐怖にじっと耐える強靭な精神力にある。
特攻の本

出撃三時間前に書かれた、20歳で沖縄方面にて、特攻死した、信本廣夫二飛曹の遺文である。

自分が思っている事、今はりさけるばかりに胸中につまっている思ひを、明朝は必ず晴らして見せます。そして新しい春のような気持ちで皆の後を追って行きます。御父様や御母様もその事をよく理解されまして、あっさりと御あきらめ下さい。御両親とも御体に気をつけて最後まで頑張って下さい。時ちゃんも敬ちゃんも御父母様の言われる事をよく聞いて、何が何でもやりぬく事。日本人だから何処に出してもはづかしくない。日本人だから、米や英人にならぬ事。兄に負けぬ様ついて来い。近所の皆んなに宜敷く言って下さい。

では皆さんお元気で、後、出発まで三時間しかありません。後三時間したら他国の人と成るのです。あきらめて下さい。泣かないで下さい。お父さん、お母さん、時ちゃん、敬ちゃん、さようなら。

死の確定している三時間前・・・

あっさりと、諦められるものか。
家族としては、心痛の至りである。

だが、遺書が届いた頃は、この世の人ではないのである。

18歳、南西諸島方面にて、特攻死した、浦上博一。出撃30分前の遺稿である。

母上様、姉上様、いざ沖縄へ出撃です。
一機一艦、必ず轟沈です。
今出発の30分前です。
月の明かりで走り書きしましたから乱筆となりましたが、何卒お許し下さいませ。

以上である。

沖縄戦では、多くの内地の特攻隊員が、出撃した。
沖縄を守るためである。
沖縄戦の悲劇・・・

だが、そこには、内地の多くの若者たちの、壮絶な死がある。

ゆえに、沖縄県民だけが、という勘違いは、誤りである。

出撃、わずか5分前の遺文もある。
18歳で、南西諸島方面にて、特攻死した、麓岩男一。

美しきお月様、きっと体当たりは成功です。
遠き春空の大空より我等の成功を見守って下さい。
我等神雷部隊の勇士は大義のために死す。
神よ我等に神助を与え給え。 死

神機到来す。
父母様よりお先に参ります。私は大義の為に死にます。旭兄様より仇をたのむとの夢の中なつかしい旭兄様の笑顔、きっと仇はうちます。今日の美しきお月様、なにか教えてくれるものがあります。今日夜間参ります。
父母様お元気で今死につきます。

この神雷部隊とは、一式陸攻を母機とする、人間爆弾桜花による、特攻部隊である。

桜花特攻は、母機が離陸した時点で、生還率はゼロになる。
敵の迎撃にあって母機が撃墜されれば、桜花も、母機もろとも墜落する。
また、運良く敵を発見しても、母機から切り離されれば、敵に命中する、しないにかかわらず、頭部に一トンの爆薬をつめた桜花は、敵艦か、海面に接すると、同時に爆破する。

確実に、死ぬのである。

18歳で、大義のために、死ぬという意識。
それには、言葉も出ない。

平和を愛する人は、戦争の悲惨を知る者である。
戦争を知らなければ、本当の平和を希求することは、出来ない。

ただし、戦争がなければ、平和なのか・・・
更に、平和の中で、安穏としてしまうと、人は、ボケる。
危機意識を持たなくなる。

この世は、いつも紛争と、戦争が、入り交じる世界である。
今も、世界の何処かで、紛争、戦争が行われている。


posted by 天山 at 06:45| 玉砕3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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