この活動を通して、ゲストハウスから、格安ホテル、中級ホテル、そして、ラブホテルなどを利用した。
安ければ、いいというものではない。
矢張り、疲れ過ぎると、部屋は、或る程度の質が問題である。
私の場合は、あまりホテルに拘らないが・・・
安全に泊まれることが、第一である。
何せ、外国である。
七年の間に、部屋で、物が無くなるということは、無かった。
一度だけ、ラバウルで、コータのナイフが無くなった程度である。
現金と、パスポートは、いつも身に付けて持って歩く。
ホテルに置くことは無い。
ただ、カード類などの入ったものは、置いておく。
更に、延泊しても、二日に一度、ルームクリーンをして貰う。
毎日の、クリーンは必要ない。
今回は、何が一番、印象的だったかというと、タバコである。
フィリピンは、全面禁煙になった。
勿論、ホテルの部屋も、である。
ペナルティーが、一万ペソという、大掛かりなものになっていた。
ただ、それが問題で、どこもかしこも禁煙で、更に、喫煙場所が無い。だから、それが問題だった。
タバコを吸う人は、道端で吸う、そして、歩きながら吸う。
面白いのは、タバコを吸う人が、店の外にいて、店の中の人と話をするという、滑稽な風景も見た。
そして、ダバオは、それが特に強く、市を挙げて取り組んでいる。
青少年にタバコを売らない・・・
だから、タバコを売る店も限られた。
道端で、一本売りのタバコの屋台が流行る。
そういう意味では、ダバオは私には、最悪だった。
だが、一時的に滞在する私は、そこから離れれば問題ない。
部屋に入り、コータが水を買うために、外に出た。
もう九時半を過ぎていて、深夜になる手前である。
ホテル近くに、水を買う店があるか・・・
とても、大切なことである。
ジェイソンさんは、ダバオの水道は、飲めますと言ったが・・・
それほど、ダバオの水が綺麗だということだ。
だが、水は、大量に売られている。
つまり、現地の人も、水を買って飲むのである。
お腹も一杯で、シャワーを浴びて、コータを待つ。
戻ると、ホテル近くは、色々な店があり、不自由しないようである。
明日の朝は、早速、食堂で食べることにする。
私は、早々に寝た。
朝は、早く目覚める。
五時である。つまり、日本時間では、六時。
日本でも、五時に目覚めるので、四時に目が覚めることもある。
早過ぎて、何も出来ないので、部屋で、タバコを吸う。
禁止・・・
確かに。だが、ホテルフロントにて、厳重に言われなかった。ということは、それなりに、である。
ホテルフロントで言われると、危ない。
支援物資が無くなり、荷物が一気に減って、私は、バッグに物を詰めなおした。
着替えのみである。
だから、他のバッグは、畳んで、一つのバッグにまとめる。
今回は、一つのバッグが壊れたので、カガヤンデオロで捨てて来た。
七時になり、私は、一人で食事をするために、ホテルを出た。
右に行っても、左に行っても、店がある。
地元の人たちが、食べる食堂であるから、兎に角、安い。
おかずを、二品選び、ライスで、100円程度。
ダバオは、海に面しているから、魚が豊富だ。
それが、嬉しい。
焼き物、煮物、揚げ物・・・魚料理が、何でもある。
日本で言うところの、アジに似たもの、鯖に似たもの・・・
味は塩味が普通で、それにレモンを掛けて食べる。
スープは、ビーフ、ポーク、チキン、魚・・・
それで、実はいらないというと、スープだけで、ただ、である。
時には、ベジタブルオンリーというと、野菜だけ入れてくれる。
それも、料金が安くなる。
ご飯は、少しパサパサしているが、腹にもたれない。
フィリピンは、共通語が英語であるが、ビサヤ諸島の言葉がある。だいたい、英語が通じるが、時には、ビサヤ語のみの人もいる。
英語が出来ないと、職に就けない。
だが、英語を共通語にしていても、実に貧しいのである。
日本で、小学生から英語教育をという人たち・・・
フィリピンが何故、英語が共通語なのに、貧しいのか、考えて欲しい。
そのフィリピンから、名文学、哲学、思想が生まれないのである。
もし、タガログ語を基本言語にしていたら・・・
もっと、深い言葉の世界を有して、更に、英語を覚えて、精神の世界が、豊かになっただろうと、思う。
言葉か英語だからか、英語の国、アメリカ、イギリスに適わないし、それらを追うだけになる。
その食生活を見れば、一目瞭然である。
何せ、コーラと共に、食事をしている。
更には、アメリカンナイズされた、餌のような食事を好む。
貧しい人たちの方が、真っ当な食事をしているように見えるのである。