2013年04月12日

神仏は妄想である。410

人道主義的宗教は人間と人間の力とに集中する。
ライヒ

だが、権威主義的宗教も、建前は、人道主義を掲げている。
ここが、問題である。

人間は理性の力を発展させて、自分自身を、他の人たちとの関係を、そして、宇宙における自己の位置を、諒解すべきである。
ライヒ

そして、その種の宗教の、
宗教体験というものは、一切物との一致という体験であるが、それは、思想と愛とによって会得されるような、世界との関係に基礎をおいた体験である。
と、言う。

人道主義的宗教の、最も素晴らしいことは、人間の目的が、最大の無力さを知ることではなく、最大の力を達成することであるということだ。

美徳は服従ではなく、自己実現である。
ライヒ

人道主義的宗教が有神論的である場合にも、神は、人間が自己の生活の中に実現しようとする、人間自身の力の象徴ではあるが、人間を制圧する力をもった権力支配の象徴ではないのである。
ライヒ

ここで、ライヒは、宗教団体を指定しない。
ただ、それらの人たちを、言う。

例えば、初期の仏教である。
そして、イザヤ、イエス、ソクラテス、スピノザ、神秘主義、フランス革命の理性宗教・・・

特に、最も良い例として、初期の仏教、つまり、仏陀を言う。
そこでは、仏陀は、偉大な教師であり、人間存在の真理を悟った、覚者である。

そして、仏陀は、超自然的な力ではなく、理性の名において、語る。

かれは、自分が最初の発見者であったにすぎないその真理を、各自がみずからの理性をもちいて悟れ、とあらゆる人々に呼びかける。
ライヒ

だが、その後、仏陀滅後は、その理性の語りかけが、ずたずたにされ、更には、とんでもない妄想に堕落した。
特に、大乗以降になると、それは初期仏教の姿も無い。

仏教の教えに従えば、人は自分の制限を悟らなければならぬ一方、また自分のうちにある力をも自覚しなければならない。涅槃とは、完全な覚者が到達しうる心の状態であるが、それは無力と服従との状態ではなく、反対に、人間がもっている最高の力を発揮させた状態である。
ライヒ

そのような、人道主義的宗教の仏教が、権威主義的宗教と成り果てたのは、何故か・・・

集団となり、組織を作り、その管理に専心することで、権威主義と成り果てたのである。
権威主義には、また、階級主義が、起こる。

仏法僧に、帰依するという・・・
僧は、人間である。
三つの中に、僧を入れたという、愚昧である。

仏法と、僧とが、同じ位置にある。
そのように、置いたという方が、相応しい。

ライヒは、キリスト教の背景を持つ。
そこで、ライヒは、旧約聖書が、権威主義的宗教精神で書かれていることを指摘するのである。

そこに描かれている神の像は、随意に人間を創り、また意のままにこれを滅ぼすことができる、族長主義制度社会の絶対的支配者の姿を示している。
ライヒ

アダムと、イブの物語において、人間の罪が何であるかを、明確にした。
それは、神の命令に対する、背反である。

それは不服従であって、決して知識の実を食うという行為そのもののうちに含まれる罪ではない。かえって、後に宗教が発展した時には、善悪を知ることは人間が追求すべき基本的な善行となったのである。
ライヒ

この物語は、また、神の動機がどこにあるかをも、明らかにした。
それは、神が、自分の優越した役割を保とうとしたためであり、神と等しくなろうとする人間の要求に対して、ねたみ深い不安を感じたのである。

明らかに、これは、人間の書いたものであり、その書いた人間が、族長主義の支配力を背景に書いたものであることが、よくよく解るというものである。

更に、神の名を利用して、我が思いのままに、人々を従わせるという、実に悪質なものである。

いずれ、旧約聖書の背景と、その成り立ちについて書く用意があるので、そこで、再び取り上げることにする。

ユダヤ、キリスト、イスラム教の、基本的な経典になる、旧約聖書であるから、その後の、それぞれの宗教を見れば、どのように展開していったのかが、よく解るのである。

権威と、支配により、信者を制圧するというものである。

それに、嬉々として、信仰している人たちの、心境は、思い込み以外の何物でもない。
更に、自己暗示である。

そこに、最も大切な、人間の理性という、かけらも無いのである。

信じる者は、騙されるので、騙されたままに、死ぬ。

そして、勿論、天国などという、空間は無い。
教会という建物の上空に、漂うのが一般的である。
そこを、天国だと、信じているのも、哀れなことである。

超越した神という存在を創り出したのは、人間である。




posted by 天山 at 05:53| 神仏は妄想第九弾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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