2012年04月21日

まだ悲しいプノンペン8

部屋に戻り、ホッと一息。帰り仕度はしてある。
後は、リップに渡して、挽回し、食事をして、二時にゲストハウスを出る。

この六年、私が、初めて反省したことである。
矢張り、同じ空気、同じ水を飲んでいると、染まる。知らずに染まる。
恐ろしいことだ。いつも、自分というものを、見つめて、立場と場所を替えて、見つめる必要がある。
自分自身に、言い聞かせるのである。

問題は、すべて私の内にある。
内省・・・

人から批判、批難されるより、わが身がわが身を裁くことは、辛い。

昼間前になり、私は、屋台に向かった。
リップがいた。
私を見て、リップが手を振る。

リップ・カムイン・マイ・ルーム
と、呼ぶと、リップが駆けて来た。
お姉さんから聞いたのだろう。

部屋に連れて、再度、プレゼントと、渡す。
リップは、すぐにシャツを手に取った。
着てみて・・・

Tシャツの方を着た。
黄色が下地の、面白い絵の入る、シャツである。
そして、中袖のシャツ。
その時の、リップの表情は、言葉に出来ないのである。

彼は、頭が良くて、議論家であり、口煩いタイプと思う。
家族の中でも、やり合うのである。
その彼が、黙って微笑む。

写真、フォト・・・
と、言うと、うんと、頷く。

二枚、リップのシャツ姿を撮り、私と一緒にと、片手でカメラを持って、リップの肩に腕を回すと、リップも、私の体に手を回す。

気に入った、と、日本語で言い、オッケーと問い掛けた。
リップは、黙って頷く。
そして、照れ隠しか、自分もカメラを持っているが、フイルムが無いから、本当は一緒に撮りたいんだけど・・・などと、言う。

二人で、屋台に戻り、私は、食事をしようと思ったが、もう、すべて売切れである。
それで、リップに時間があれば、一緒に食べようと、誘った。
リップが微笑んで、うん、と頷く。そして、それじゃあと、歩き出した。

えっ・・・どこ行くの・・・
ジャパニーズレストラン・・・
そんなところ、あった・・・
あるよ・・・
行き着いたのが、韓国料理店である。

海苔巻きがあり、それが、リップには、日本食と思ったようだった。
でも、注文したのは、焼き飯である。

4ドルの、焼き飯・・・
凄く高いのである。
ちなみに、焼き飯には、五種類のキムチの皿が付いている。
客が一組いたが、観光客である。
矢張り・・・
地元の人は、食べられない金額である。

帰り際、リップは、スクールに行くから、見送れないので、電話を下さいと言う。
オッケー。ネクスト・タイム。また会おう。
握手をして別れた。

屋台に立ち寄り、リップのママにも、オークンと感謝の言葉を言う。
彼女は、畏まって、私に挨拶した。

プレゼント・・・
そんなものを、貰ったことなどなかったのかもしれない、と、思った。

ラ・モンさんが、二時少し前に来て、待っていた。
私は、すぐに、荷物を出して、トゥクトゥクに乗る。

空港に着いて、ラ・モンさんに、20ドルのお礼をする。
彼の電話番号も聞いている。次ぎは、空港にも、迎えに来て貰うことにしていた。

小さな、国際空港である。
チェックインして、出国する。
皆、両手の指紋を取られていたが、私は、右手の四本だけで、オッケーと言われた。
出入国で、時間がかかることはない。

そして、バンコク行きに乗り、恐怖の死ぬほどの体験をする。
飛行機が離陸して、30分程の頃、突然、乱気流に入った。

突然、機体がガクンと落ちて、それから羽が折れるのではと思う程、揺れた。
白人の男たちも、声を上げて、必死で座席の肘をつかむ。女性の泣き声。
いつまで、続くのか。それとも、落ちるのか・・・

ああ、死ぬ前に、こんなスリリングな体験が出来るなんて・・・と、思いつつ・・・
私は、トイレに立つ以外は、ベルトを締めているので、ベルト一つで、じっとしていた。
なかかな、収まらない。
ガタガタと機体が鳴る。
風に翻弄されているようだ。
その間、3分か5分か・・・解らない。

そして、やっと、落ち着いた。
皆さん、ホッとしている。
そして、アナウンスである。
本当に、タイ人は、とぼけている・・・
皆さん、飛行には、問題ありません・・・というような、英語である。

さすが、タイ人である。
終わった後で、言うな・・・

その、適当さ、いい加減さ、曖昧さ・・・
時々、それで、救われるが、私は、いつも、激怒する。
だが、激怒しても、何で怒っているのか・・・相手は、解らないのだ。

ただ、私が怒っても、人は殺さないが、タイ人が怒ると、人を簡単に殺す。
これは、覚えておいた方が、身のため・・・




posted by 天山 at 00:10| まだ悲しいプノンペン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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