2009年05月07日

性について 77

エイズウイルスは、ヘルパーT細胞に、特異的に、親和性を持つ。
ヘルパーT細胞と、エイズウイルスの、たんぱく質との間に、特別な反応性がある。

それは、ヘルパーT細胞が、CD4という、エイズウイルスの、レセプター、つまり、受容体を持っているのからだ。

レセプターとは、細胞の表面にある、たんぱく質で、特定の物質を付着させる働きがある。
この場合は、エイズウイルスである。

本来は、CD4に付着すべき、たんぱく質と、エイズウイルスの、たんぱく質と、同じなのであるという、驚き。
だから、間違って、エイズウイルスを、付着させてしまう。

このように、CD4が、減ると、細胞性の免疫のしくみが、障害を受けて、日和見感染、二次性の、カポジ肉腫という、悪性腫瘍を発症させるのである。

日和見感染とは、普段は、無害な細菌、ウイルスが、免疫機構が、失われたために、症状をもたらすことを言う。

エイズにみられる、代表的なものは、カリニ肺炎である。
死因のトップである。
ニューモシスティス・カリニというの、原虫のもたらす肺炎である。

この原虫は、普通、口中に、見られる。通常は、害を与えないのである。

そして、悪性腫瘍のうちの、代表的なものは、カボジ肉腫である。
エイズ流行前までは、アフリカ、ヨーロッパの、一部でしか、知られていない、珍しい、皮膚がんである。
エイズにより、それが、広がった。

その他に、中枢神経系の異常が、みられる。
髄膜炎、脳炎、痴呆などである。
それも、死因の一つになる。

エイズウイルスは、脳にも、侵入して、脳を食べると、思ってもよい。

さて、エイズウイルスに、感染しても、すぐに、発病するわけではない。
感染しても、発病しない人のほうが、多いのである。

ただし、エイズウイルス感染者は、発病しなくても、必ず、エイズウイルスを持っているということである。

つまり、他人に、感染させることが、出来るのである。
これが、問題である。

知らずに、性行為を重ねて、他人に、エイズウイルスを、感染させているのである。
知らなかった、ごめんなさい、では、済まないのである。

エイズウイルスの、感染経路は、血液との、濃厚な接触、性行為、エイズウイルスキャリアの母親から、子供への、垂直感染である。

キャリアとは、感染してエイズウイルスを、体内に保有するが、発病していない人である。

自覚症状なく、発病するまでの、潜在期間が、長く、八年以上を経過することもある。
勿論、驚くほど、早い人もいる。

さて、免疫機能の、低下であるが、個々の身体的条件によって、それは、大きく異なる。
後天的に、免疫不全を起こす条件は、三つである。

自己免疫疾患にかかっている時である。
そして、他の性的感染症にかかっている時である。
更に、栄養不足で、低栄養のために、免疫で重要な、胸腺が、萎縮している時。

自己免疫機構とは、免疫が、自己と非自己の認識・識別をしていることから、外から侵入してきた、病原体や、自己の体内に発生した、がん細胞などを、非自己として、体外に、排除する働きのことである。

非自己に対して、起こすことを、免疫機構という。

であるから、自己が、自己に、それを、起こすことはない。
それを、免疫学では、自己抗体に対して、自己抗体の免疫寛容性が、成立するという。

しかし、その寛容性に、破綻が生じることがある。
それは、自己抗体に、自己抗体が、生み出され、自己抗体が、攻撃されるということになる。

例えば、精巣、睾丸であるが、そこで、作られる精子は、まさしく、自己である。
この、自己に対して、免疫機構が、抗精子抗体を作り、精子を駄目にするということが、起こる。

ウイルス感染によって、免疫機構に、混乱が生じて、その結果、二次的に、抗精子抗体が、出来て、精子を攻撃する。
すると、無精子症、精子形成不全という、男性不妊症といわれる、自己免疫疾患となる。

哲学めくが、この場合の、自己とは、非自己に対する、自己ではなく、免疫機構が、自己と、認めたものが、自己であり、認めないものは、非自己である。

厳密に、抗原といえるものは、その免疫機構によって、異物であるということ、である。
生物は、免疫機構において、免疫的自己において、内と外を、区別するのである。

我が体の、内に、そのような、仕組みがあるということ。
つまり、それは、無意識の世界である。
意識の世界で、云々というものではない。

意識、というものが、いかに、頼りないものであるか。
だから、私は、アメリカ式の、成功哲学なるものを、嘘だというのである。
意識から、無意識へと、促すことは、至難の業であり、それが、出来るというのは、宗教に似る。勿論、アメリカの成功哲学は、キリスト教から、出たものであるから、しょうがないが・・・

さて、エイズも、自己免疫疾患である。
更に、今まで、難病とされていた病も、この、自己免疫疾患が、多数である。

先の、免疫寛容性が、崩れると、今までは、味方と思っていた、キラーT細胞や、抗体が、自己抗原という、自己の細胞を標的にし、大食細胞も、組織を食べてしまうのである。

免疫軍団が、自らの、腎臓、心臓をはじめ、臓器や、脳の組織を攻撃するのである。

更に、加えて、ある自己抗原により、自己抗体が、増えると、その抗体が、自己であるにもかかわらず、自己抗原が、生まれる前から、存在しなかったという、理由で、非自己と認識され、自己抗体に対する、自己抗体が、生まれてしまうこともある。

自己免疫疾患とは、免疫機構が、悪循環を起こす病なのである。



posted by 天山 at 00:00| 性について3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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