2009年05月05日

性について 75

ヒトをはじめとする、動物と、レトロウイルスとの、関係で、実に、興味深く、驚くべきは、それが、生殖と、種の繁栄に、関わっているということである。

ねずみが、レトロウイルスを、生殖細胞に、取り入れることによって、繁殖に成功した。
レトロウイルスを持った、ねずみが、勝ち残り、持たない、ねずみは、滅亡したのである。

さて、マウスを使った実験では、受精後二週間の後半に、レトロウイルスの、たんぱく質が、大量に作られる。RNAをDNAにかえる、レトロウイルスの逆転写酵素の、原型とされる、ガンマ型合成酵素と呼ばれる、物質が、活性化され、たんぱく質が、製造され、この酵素の、活性化が、卵子や精子という、生殖細胞で、いちじるしいという。


レトロウイルスは、卵子、精子といった、生殖細胞に入り込み、遺伝子に組み入れられて、母から子へと、垂直感染して、種の繁栄を果たす。
レトロウイルスは、無害な遺伝子として、宿主に入り、自己の種のために、宿主の、種のためにも、有利に共存してゆく。

共生である。

しかし、それは、危険なリスクも伴う。
それは、レトロウイルスの、突然変異である。

多く、それは、ガン化するのである。

それを、進化という観点に立つと、生存に有利ならば、共存し、不利な場合は、ウイルス感染にかかって、死ぬということが、繰り返されてきたのである。

だが、ウイルス疾患にかかりやすいほど、ウイルスとの関係が、深いということである。
更に、進化の可能性を、秘めているということ。

鳥類の中でも、インフルエンザウイルスが、検出された、鶏、アヒル、七面鳥などは、他の鳥に比べて、寿命が、長いのである。

ヒトも、このウイルスと、同居することで、進化を遂げてきた。
つまり、この道を、引き返すことは、出来ないのである。
ということは、レトロウイルスが、突然変異して、起こす、エイズ、癌などと、共生するしか、方法はないと、いえる。

このような、自己―非自己の境界がいい加減な免疫機構、くるくる変幻するレトロウイルス遺伝子やバクテリアと共生するヒトの生命の様相をみるとき、生命とは、はなはだ「あいまい」な関係性のうえに成立しているものであることがわかってきた。
世紀末の病 大島清

さて、免疫ということについて、もう少し、詳しく見ることにする。

免疫とは、細菌や、毒物が外部から、体に入ってきたとき、それを自分になじまない異物、非自己として、排除する作用である。

排除する方法は、貪食する、結合して、捕まえる、殺すと、いろいろある。

この、免疫を担うのは、血液である。
血漿と呼ばれる、たんぱく質を含んだ水の中に、赤血球、白血球、血小板という、有形成分が浮遊している。

この中で、免疫をつかさどるのは、白血球である。
その中の、リンパ球と呼ばれる、白血球なのである。

リンパ球は、脊髄で作られる。
そして、そこから、直接、血液に出るものと、胸腺を通過して、やや性質を変えて、出るものの、二種類がある。

前者を、B細胞、Bリンパ球、後者を、T細胞、Tリンパ球と、呼ぶ。

これらを、まとめて、免疫細胞という。

その、しくみは、異物が、侵入すると、免疫機構が、活動を開始する。
最初に、大食細胞という、白血球が、異物に立ち向かう。
大食細胞は、リンパ球と別の種類の白血球である。
その名の通り、異物を食べるのである。

だが、これで駄目な、強力な異物は、リンパ球が、対処する。
まず、B細胞が、侵入した異物、抗原と呼ばれるものに対して、抗体という、たんぱく質を作る。

この、抗体は、抗原、つまり、異物に癒着して、それを、破壊する。
抗原―抗体反応という。
別名、液性免疫と、呼ばれる。

この、液体免疫と、相互に作用し合う、もう一つの、免疫システムが、T細胞を主とする、細胞性免疫と、呼ばれる。

生命ということを、考えた時、この免疫システムを、生命システムと、呼んでもいいように思う。
これがあるから、生きられる。
要するに、免疫機構によって、生かされているのである。

それも、体内環境である。

環境問題は、何も、外部の環境だけを、言うのではない。
我が内にも、生命環境があるのである。

免疫力を高めるというのは、体内環境を良くする、整えるということになる。

それでは、体内環境の免疫システムを、高めるには、どのように対処するのか。
しかし、その前に、異物が、どのように、排除されるのかを、見るべきだ。

そして、それが、スムーズに成されることを、免疫力が、高いということになる。

今、曖昧だった、生命という、観念に、免疫システムという、生命維持の、働きを、知ることで、明確になる。

命の、貴さを、言う前に、免疫機構の、有様を、知ることである。

生命が、免疫機構に、支えられてあるのだから。





posted by 天山 at 00:00| 性について3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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