2009年05月04日

性について 74

ウイルスは、数え切れないほどある。
形、大きさは、様々であるが、生き物には、すべて、ウイルスが、棲みついている。

植物も、動物も、である。
ウイルスは、中に含まれる、核酸の形によって、DNA型、デオキシリボ核酸と、RNA型、リボ核酸に、分かれている。

ウイルスは、核酸、ウイルス粒子が、糖タンパクと、リン脂質の衣を、かぶる。実に、単純な構造をしている。

生物は、一般に、DNAを、遺伝物質とし、遺伝情報は、DNAが、RNAに、写し取られ、このRNAを、青写真にして、たんぱく質が合成され、伝達される。
これが、セントラル・ドグマと呼ばれる、生物界の原則である。

ところが、この原則に、そぐわない、唯一の例外がある。
RNA型ウイルスである。

RNA型ウイルスでは、遺伝情報が、RNA遺伝子から、DNAへと伝えられる。普通とは、逆なのである。そのために、RNA型ウイルスは、RNAをDNAにするため、逆転写酵素という、酵素と、DNAの鎖を切断する、鋏の働きをする、特殊な物質をもっている。

こういった、RNA型ウイネスの中で、発がん性の逆転写酵素を持つものは、レトロウイルスと、呼ばれる。

レトロとは、発がん性逆転写酵素のことで、エイズウイルスは、この型である。
現在まで、三つの形態があるが、つい先ごろ、その、変種が、発見された。

レトロウイルスは、1908年に、鶏の白血病で、はじめて、発見された。

この、レトロウイルスの、歴史は、実に古いものである。

爬虫類が、誕生した、二億七千年前には、すでに、生物に、寄生していた。
ウイルスは、生物だが、その核になる、ウイルス粒子は、そのままでは、生物とは、いえない。
生きている細胞がなければ、増えることができないのである。

つまり、ウイルスは、生きている細胞の中で、増えている。その時だけ、ウイルスといえるのである。
宿主の外に出たら、無生物になる。

宿主依存が、ウイルスである。

RNA型レトロウイルスは、宿主の細胞内に移ると、逆転写酵素を使い、自分を鋳型にして、自分のDNAをコピーする。
さらに、そのコピーしたウイルスを、宿主細胞の、DNA遺伝子の鎖を、鋏で切って、その間に、割り込ませるのである。

この段階で、レトロウイルスは、宿主のDNAの中に、紛れ込み、雲隠れする。
こうして、宿主のDNAの一部になった、ウイルスDNAは、本体と、見分けがつかなくなるのである。
宿主の細胞が分裂する時も、一緒に分裂して、増える。

運動器官も、代謝系も持たず、ただ、宿主に依存し、宿主細胞を、生かしつつ、自分の遺伝子も、伝えてゆくという、レトロウイルス。

このウイルスは、宿主を殺してしまうことはない。
宿主と、共栄共存して、生き延びてきた。

進化したウイルスといわれる。
進化とは、繁殖の成功をいう。

脊柱動物は、レトロウイルスを、うまく利用して、進化してきた。

まず、最初は、ねずみが、レトロウイルスの遺伝子を、生殖細胞に取り入れて、繁殖に成功。
そして、数百万年から、一千万年以前に、ねずみから、豚、猫、猿に、ウイルスを、感染させた。

そして、およそ千万年前に、ヒヒのレトロウイルスが、猫に甚大な被害をもたらした。その時、ヒヒのレトロウイルスを遺伝子に、抱え込んでいた、猫の種だけが、種の保存に成功したのである。

では、何故、このレトロウイルスが、エイズウイルスとなったのか、である。



posted by 天山 at 00:00| 性について3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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