2008年09月06日

性について 36

人類史上、男と女の分化はおよそ対立というものの最もきわだった投影の一つであり、男性的・女性的という観念は初期の人類にとって対比対立のそもそもの原型にほかならない。
エーリッヒ・ノイマン 女性の深層


今では、男性的、女性的という象徴的表現を、誰もが受け入れるようになっている。

更に、心理学では、男性的なものを、意識、女性的なものを、無意識と、同一視する場合もあるほどだ。

これも、原初的状況である、男性的意識というものが、母性的無意識から、誕生するという局面から、発生しているという、驚きである。

心理学も、その、男性性というものを、母性から、発するものと、認識するのである。

母なるものとは、そういうことである。
すべては、母から生まれるのであり、父からではない。

旧約聖書の神という、意識が、父なるものということには、実に作為があるといえる。
男性原理により、支配を企むという、作為である。

更に、それから、派生した、キリスト教も、イスラム教も、男性原理としての、神の意識を、言うのである。
決して、母なるものを、重大視しない。

作為を、持って書かれたものは、すべて、男性原理である。
古事記なども、高天原を、治める、天照大神は、イザナギから、生まれでた。つまり、イザナミではなく、父から、生まれでたものである。
実に、作為がある。

だが、生物学でも、心理学でも、結果は、母なるもの、女性から、すべが始まることを、教える。

男の子は、母親に対する、最初の関係で、男性的・女性的という、対立原理を経験し、男性的なものが確立されて、男として、自己自身との同一性に至る。また、至ろうとする。そして、原初の母との、関係を放棄するのである。
しかし、矢張り母から出たものである。

男としての、同一性に至らない場合、男の子は、そのセクシャリティに戸惑う。
少年期の、一時期、男の子は、男でも、女でもない時期を、過ごす。
中性期間とでもいう、時期である。

それが、第二次成長が、著しくなり、男性としての、機能が、発達して、自分が、男であることに、目覚める。気づくのである。
女ではないと。

しかし、その過程で、どうしても、違和感を持つ男の子もいる。
トランスジェンダーといわれる、男の子たちである。
勿論、女の子にも、ある。

トランスジェンダーについては、別に、詳しく書くことにする。

男の、変化は、女のそれとは別に、実に大きな差異が存在する。
少年から、青年、成人、そして、老年に至る、肉体的変化は、精神的な変化が、伴う。
女の、発達の推移とは、明らかに、異なるのである。

性ホルモンによる制約は心的な制約と密接につながっているのである。
エーリッヒ・ノイマン

母親との、原初の関係から、身を引き離して、それに対する、客観的認識に至ることにより、初めて、男性的といわれるものが、自己発見と、自己確立を達成する。
これが、うまくいかない場合は、母権的な近親相姦の段階で、去勢されると、いわれる。

意識の発達における最初の段階というものは、そもそも女性的なものから男性的なものが、母親から息子が、離脱することにほかならない。
エーリッヒ・ノイマン

これにより、男は、深い孤立感というものを、抱くようになる。
孤立感は、自我の目覚めである。
男は、自分が、孤独な存在であることに、気づくのである。

母からの、分離が、男の成長であり、男の孤立感を深め、更に、孤独感に至るのである。
だが、逆に、この孤独感が、男を、生きようとさせる原動力にもなるといえる。

それでは、女は、どうか。

女性においては自己発見は始めから存在している。なぜなら、女性にあっては自己発見と本源的関係とは一致することができるからである。
ノイマン

女は、本源的関係の中に留まり、その中で、自己を発達させ、自己に到達できる。
つまり、生きやすいのである。
自己疎外という感覚も、抱くことがない。

男が、この状態に置かれることは、去勢の危機に晒されるが、女は、それでいいのである。

女性における根本的状態が、自己発見と本源的関係との一致である以上、女性は初めから、自然のままなる全体性と完結性に恵まれているのに対して、男性はこれが欠けているのである。
ノイマン

男の中にも、女性性があり、女の中にも、男性性があると、発見したものは、ユングである。

その、男性性と、女性性というものも、母性というものから、生まれている。
生む力のあるものは、母性なのである。
つまり、母性からは、逃れなれないのが、人間の、セクシャリティであると、いえる。

母性からの分離が、男性であり、母性との、同一性が、女性である。

肉体的にも、心理的にも、完全な男というものは、存在しないと、早々に結論づけておく。

それでは、男性性は、何によって、支えられるのか。
私は、それは、マスターベーションであると、言明する。

マスターベーションにより、男性性は、回復する。
この、エッセイは、性について、である。
性から見た、男性性というものを、掲げるならば、それ以外に無い。
女が、唯一、理解できないものは、射精感覚である。
それが、また、男の唯一の、頼みの綱でもある。

射精感覚を、追及して、男が、築き上げたものとは、何か。
それが、人類史を、創ったとも、いえる。

射精感覚が、無ければ、男は、すでに、この世に、いなかったと、いえるのである。




posted by 天山 at 00:00| 性について2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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