2008年09月02日

性について 32

受精卵がその発生プログラムを開始するとすべてのことは粛々と進行する。あるタイミングで特別なスイッチがオンになり、次の瞬間にはオフになる。そのかわり前の段階のスイッチオンに反応して、次のスイッチがオンになる。このカスケードは連鎖しながら各細胞に微小な変化をもたらす。スイッチがオンになる、とは特定の遺伝子が活性化されて細胞内に新しいタンパク質が出現する、ということである。スイッチがオフになる、とはそのタンパク質が分解されて細胞内から消えるということである。
福岡伸一

さて、受精後、約七週間を経ると、ある特別なタンパク質が作られる。
それは、細胞核の内部に入り込み、その中を拡散しつつ、自分の居場所を探す。

ここまでは、基本仕様である。

ここからが、初めて、行く先が分かれるという、岐路である。

染色体がXXならば、その岐路は、何の問題もなく、続行される。
だが、染色体XYならば、特別な状況が起こる。

その、特別な状況は、非常に険しい道のりである。
Y染色体の定めである。

SRY遺伝子が、活性化されると、SRY遺伝子のメッセージを伝えるべく、RNAが数多く転写される。
そして、その情報が翻訳されて、SRYタンパク質が作られる。

SRYタンパク質は、DNA結合能を持つ、特殊なタンパク質である。
それは、細胞核の内部に入り込み、拡散しつつ、結合すべき場所を探す。
その場所とは、ゲノムDNA上の、特別な配合である。

SRYタンパク質が、その配合に結合すると、配列の直後に位置する、遺伝子から、RNAの転写が開始される。
それが、更に翻訳されて、タンパク質が、作られる。

SRYタンパク質によって、スイッチが入る遺伝子は、複数あるといわれる。

つまり、情報が、増幅されるのである。
だが、科学では、未だ、SRYの指令を受ける、遺伝子は、解明されていない。
しかし、それが、行われる過程は、明らかにされつつある。

それを、ミュラー管抑制因子と呼ぶ、タンパク質の一種である。
それは、ミュラー管のみに、働くものである。

それは、生殖器を形成している、組織の中にある、細胞に、そのタンパク質を作らせるという、働きを持つ。

ミュラー管は、基本仕様に従えば、何事もなく、プログラムに添って、進行されるが、ミュラー管抑制因子を受け取った、ミュラー管の細胞群は、徐々に小さくなり、やがて消滅する。

こうして、基本仕様の、卵管、子宮、膣になるべき、細胞群を失った、女として、男が、誕生するのである。

そこからが、大変な活動なのである。

つまり、女を壊してしまったのであるから、それを、作り変えることになる。

膣が、開口する必要がなくなった、割れ目を閉じる作業が、はじまる。
肛門に近い側から、細胞と細胞の、接着を行う。
縫い合わせるわけである。

更に、男性ホルモンの生産と、放出である。

更に、ミュラー管抑制因子を作り出した細胞の近くに、別の細胞の一群がある。
この細胞は、SRYの指令を、受けて、テストステロンという、男性ホルモンを、作り出すのである。
それが、付近の細胞に、放出される。

胎児の、生殖器には、ミュラー管とともに、ウォルフ管が、平行してある。

ミュラー管も、ウォルフ管も、発見した人の名をつけたもの。

ウォルフ管は、テストステロンに、晒されると、分化、成長を始めて、精巣上体、輸精管、
精嚢など、精子の輸送を行う管を作る。

ウォルフ管の、奥には、原始生殖細胞が位置する。
この時点で、ミュラー管は、すでに、消滅している。
ミュラー管抑制因子に、晒されると、消えるからである。

基本仕様の場合であれば、卵細胞になるはずだったものが、テストステロンを、浴びることによって、原始生殖細胞は、精子細胞を作る、精巣になるのである。

原始生殖細胞は、左右に分かれた卵管の奥にあるはずだったが、精巣に変わると、徐々に下降をはじめる。

下降した精巣は、割れ目を閉じて、合わせた場所まで、下がる。
その部分は、女性器の、大陰唇を縫い合わせたものである。
こうして、陰嚢が、出来る。

ウォルフ管の、反対側は、外へ通じる出口であるが、精巣で作られた精子を、ウォルフ管が作り出した通路、つまり、精巣上体に入り、輸精管を経て、精子の貯留槽である、精嚢に入る。

射精時に、精嚢は、0,8秒間隔で、強く収縮し、精子を射精管を通して、放出させる。

だが、この時点では、ペニスが、出来ていない。

ここで、解ることは、男は、女の体から、発祥しているということである。
更に、ペニスの作られ方を、みると、男は、女より、不完全であるということが、解る。

次に書くが、尿道は、尿だけではなく、精子も、運ぶ管であるということ。

女の尿道は、尿だけのもの。
男は、それを、兼ねているのである。

人間の、生命基本仕様が、女であること。
要するに、生物学的に、男は、女の、まがい物であるということである。

女に、なれなかった、女、それを、男という。いや、オスといっておく。女になれなかった、メス、それを、オスと、呼ぶ。




posted by 天山 at 00:00| 性について2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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