2008年08月09日

性について 9

大脳辺縁系は、かつて哺乳類時代は、臭脳と呼ばれていた。
原始感覚の脳であり、女は、ここが、実にしたたかに出来ているという。
それは、命を生むからである。

視覚、聴覚、味覚、触覚の、四感は、視床下部という中継点を通るが、臭覚だけは、別行動をする。
直接、大脳辺縁系の梨状葉に達する。ここは、扁桃核の皮質にあたる。
臭覚情報の最終地点は、前頭葉なのである。
そして、不思議なことに、臭覚は、他の感覚が休んでいても、ずっと活動している。さらに、臭覚記憶は、何年にわたっても、保存される。

ある女性が、相談に来た。
時々、眩暈がして、突然、動けなくなるというのである。
勿論、精神科にも、通っていた。
原因が解らないという。

何か言葉を交わしているうちに、私は、過去の記憶に、何か問題があるのでしょうということを、話した。
複雑な家庭環境である。
彼女は、養子である。

突然ではなく、何かそれには、訳がある。
昔の嫌な思い出を、突然、何かで、思い出すのでしょう。
すると、人に、初めて言いますと、家庭内、性的暴力のことを、話し出した。
聞くことに、耐えられないような、話だった。

養父に犯され、兄に犯され、更に、弟にも、犯されていたという、話である。

高校を卒業して、すぐに、家を出た。

彼女の最初の、相談内容は、彼氏が部屋から出て行くと、不安で堪らなくなるというものだったが、根本に、そのような問題があった。

思春期を、とんでもない環境の中で、過ごしたのである。

そして、最後に、匂いに至った。
思い出の匂いを、嗅ぐと、突然の眩暈がはじまる。
匂いを、思い出すと、という言い方もできる。

女性は、原始感覚が、生まれつき、強靭であるが、別なことで、狂うと、それは、精神的苦痛になるというものである。

臭覚は、性欲の、キーポイントである。
男の場合、前回も書いたが、視覚である。

性的関心を司るのは、前頭葉であると、言える。

コンピューターが登場して、その技術者が、テクノストレスというものに、晒されるようになり、それは、前頭葉のストレスであるが、ここが、ボロボロに疲労することで、とんでもない状態になる。

食欲も、性欲も、狂うのである。
前頭葉が、スピードと、正確さ、そのコントロールに振り回されるのである。

食欲、性欲が、あることは、実にありがたいことなのである。

さて、男である。
視覚により、性的感覚を、呼び覚ます脳の働きとは、何か。

見るという行為は、目である。
目には、網膜がある。
網膜には、光を感じる細胞が、一億以上もあるといわれる。
細胞が処理した情報は、100万個もある、神経節細胞によって、視床下部の中の、外側膝状体を介して、新皮質の視覚領に伝達される。

しかし、そこが、終点ではない。
視覚領からの情報は、性欲中枢のある、大脳辺縁系に送られて、性的情動となり、興奮させ、脳裏に、留め置く。

大脳辺縁系とは、脳の中心にある髄液で満たされた、脳室をとりかこみ、新皮質との境界を形成している、海馬、扁桃体などの組織である。

この、大脳辺縁系は、視覚のみならず、感覚情報を、すべて、処理する中心的機構である。

また、そこは、体と、心のつなぎ目である。

ストレス、マイナスイメージの、情報が、送られると、つなぎ目が、混乱し、ストレス症候群とか、心身症、神経症に陥る。
つまり、性欲も、食欲も、おかしくなる。

さて、男は、見て刺激を受ける。
女は臭覚、男は視覚である。

人間が、他の動物と、違うところは、性欲が、甚だしく拡大し、歪曲してゆくということである。
生まれ、育ち、習慣、教育などにより、性欲の表情が違う。
本能としての、性欲は、同じだが、文化を抜きにして、性欲の表現、行為は、語れないのである。

ヌード写真を見て行うという、実に基本的な、マスターベーションの行為がある。
視覚に訴えて、興奮する。
ところが、それに、飽き足らなくなり、色々と、考案する。
涙ぐましい、マスターベーションの歴史が、一人一人の男にはある。

ところが、ある頃から、マスターベーションを知らないという、世代も出た。

十年程前、私の知り合いが、ある大学の、講師として、講義をしていた頃である。
性についてを、語り始めて、一人の男子学生が、部屋に尋ねて来て言うには、マスターベーションの仕方を教えてくれというものだったと、言う。
彼は、知らなかったのである。
受験、受験に明け暮れて生活しているうちに、自然発露の、性欲を、忘れた。

以前に書いた、性欲嫌悪のことではない。

講師は、丁寧に、マスターベーションの仕方を伝授したという。

男の子の、マスターベーションは、想像力を鍛えるものである。
いかに、楽しむか。楽しめるか。
いずれ、文化的、マスターベーションというものを、見ることにする。
要するに、マスターベーションも、その背景には、文化がある。



posted by 天山 at 00:00| 性について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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