2007年06月14日

イスラム4

アッラーの御目よりすれば、真の宗教はただ一つイスラームあるのみ。

そして、神が語る。
今日この日、ここにわしは汝らのために汝らの宗教を建立し終わった。わしは汝らの上にわが恩寵をそそぎ、かつ汝らのための宗教としてイスラームを承認した。

アッラーと呼ばれる神は、いかなるものか。
そのためには、ムハンマド以前の騎士道華やかなアラビアの歴史を観なければならない。
後世のイスラム教徒は、その時代を、ジヤーヒリーヤと読んだ。無道時代である。
つまり、騎士道という名の無明の時代である。単なる人の作ったモラルに生きた時代である。それは、無軌道なのである。よって、無道時代という。

その無道時代からの信仰の対象は、三女神、マナート、アッラート、アル・ウッザーであった。
この神々は、絶対神アッラーへの取り次ぎ役、仲介者であった。
その他、数多くの神々を信仰していた。多神教といってもよい。

アッラーは、砂漠の古い神である。
その他の、多くの神々を超越する存在だった。
メッカの市民も、無条件で、アッラーの神の絶対性を認めていた。しかし、現実は、それよりも格の低い神々を信仰していた。
偉大なるアッラーより、身近な存在の神々に、願いをかけたのである。

日本で言えば、仏陀ではなく、観音様や阿弥陀様という観念の仏様、またインド魔界の弁天様、帝釈天、毘沙門天等々である。

さて、今日でも、メッカは巡礼の地である。
その聖殿カアバの起源は、解らない。
無道時代から、アラビアの民族的な聖殿であった。
アラビアの伝説では、アダムが神の命を受けて、天にある原型を模して建てたといわれる。有名な黒石の由来も解らない。古代のセム人は、石を聖なるものと考えていた。旧約のイスラエル人も、神に犠牲を捧げる際に、石を台にしていた。伝説では、天使ガブリエルが運んできたものと言われる。
カアバは単純な立方型の建物である。

カアバには、あらゆるアラビア部族の神々が共同で、奉られていた。
イスラムが起こる、一世紀ほど前から、クライシュ族が治めていた。この種族だけが、カアバの守護者であるということも解っていない。

カアバは、宗教的聖地のみならず、全アラビア民族の集合所であり、政治的、経済的な場所でもあった。
年に一度の巡礼の時期には、一切の戦闘行為が禁止されていた。
生活の糧を得る、唯一の行為である、略奪も完全に禁止されたのである。

アラビア、イスラムを理解するには、容易ではないことが解るだろう。
略奪は当たり前、戦闘行為は、日常茶飯事である。
部族中心のアラビア人が、民族を感じるとしたなら、このカアバの存在しかなかったのである。
部族中心とは、血の繋がりである。血の繋がり程、重要なものは無かった。
部族の中では、平和的なアラビア人が、ひとたび、他部族との関わりでは、排他的、戦闘的になった。
日本人が、北海道から沖縄まで、日本人であるという意識を持つが、アラビア人は、そんな意識はない。
例えば、北海道と、沖縄であれば、それだけで敵になる。
ただ、メッカ巡礼の時だけは、統一した民族意識を持つという不思議である。

イスラムの派閥の争いを見ても、理解出来ないのは、そういうことである。
血が違えば、敵なのである。

さて、ムハンマドは、本来の神、アッラーをのみ信奉するべく、説教を始めた。それについて、何の問題もなかった。当然のことだった。
しかし、何故、ムハンマドが迫害されるようになったかは、その純粋な、セム人的な唯一絶対の神を徹底して説いたからであり、他の神々を、排斥したからである。

カアバの神々を「これらはただ、汝らならびに汝らの祖父が徒らに名づけたる虚名にすぎぬ」と、喝破したからである。

メッカの人は、聖殿により、政治、経済を保っていた。そのままであれば、平穏無事であった。しかし、ムハンマドによって、それらを否定された。これは、由々しきこと、許されないことであった。
最も力を持つ、クライシュ族は、この変な男に「大うそつき」「うぬぼれ詩人」と呼び、「じじばばの昔話」と決め付けた。

これに対して、ムハンマドは声高に言う。
説け、アッラーは唯一神
永遠の神
子もなく父もなく
また双ぶべきもの一つだになし、と。

ユダヤ教、キリスト教、共に、セム人的唯一神は、一切の妥協を断固として拒絶する。
実に、激烈な教えになるのである。
それを、ムハンマドは成した。
純粋な人といえば、いえるが、単に純粋ではなかった。実に、戦闘的だった。

それは、イエスキリストも同じである。
実に、攻撃的、戦闘的だった。
しかし、違うことは、キリストは武器を取らなかった。
ムハンマドは武器を取った。
もう一つは、キリストは奇跡によって、人を目覚めさせた。
ムハンマドは、戦いによって、捻じ伏せた。




posted by 天山 at 00:00| イスラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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