2007年05月15日

もののあわれ82

常陸国の歌
筑波嶺の 彼面此面に 守部すえ 母い守れども 魂ぞ合ひにける
つくばねの をてもこのもに もりべすえ ははいまもれども たまぞあひにける

母いの、い、は、強調。娘の身を守る母親の心。
魂ぞ合ひにける、は、互いに思い合い、愛が融けあうのである。

霊合、たまあい、という。こういう信仰があった。
つまり、魂が融けあうのである。
相手の霊が、こちらに憑くのである。互いの分霊が、互いに憑く。
相手の思いが、通じる。不思議なもので、そういうこと多々ある。相手の身に起こることが解るというものである。
それ程、深い関わりを持つ。

筑波嶺の、あちこちに番人を置いて、山を守るように、母は、厳しく目を光らせている。でも、私たちの魂は、堅く一つに結びついています。

霊合、というのは、何も恋人同士だけではない。
親子、兄弟、友人、知人にも言える。
私の場合は、何か特別なことがあると、その人の心の声が聞こえる。
それで、連絡すると、よく、どうして解りましたかと、言われる。あなたの声が聞こえたというと、絶句される。
ある時、どうして泣いているの、と、問うと、驚き、どうして私が泣いているのが解るのかと言われた。見えるのだ、私には。
だが、特別な能力ではない。
見える、聞こえるのである。

誰もが経験することは、思い出した時、電話がかかってきたというものだ。誰にでもある。

霊合、とは、そういうことである。
霊を、タマを掛けるのである。
生きている人の霊を、生霊という。
悪い場面でだかり言われるが、この生霊は、守りの生霊の場合の方が多い。
親が子を思い、子が、それで助かること多々ある。

それでは、死霊の場合は、浮遊している場合は、憑依霊となるが、霊界入りしていると、背後霊になる。しかし、守護霊とは、言わない。守護霊は、生まれ持って、ある、特別な霊である。

死霊の幽霊は、迷い霊である。行くべき世界に行けない、行かない。死後の世界を否定する人の多くは、幽霊になること多々あり。
しまいに、自分は、まだ、この世に、生きているというから、手を焼く。

人の幸せは、霊合の者との、出会いと、連れ合いである。
一人で生きられることは、まず無い。人は一人で生きられないようになっている。

信濃国の歌
人皆の 言は絶ゆとも 埴科の 石井の手児が 言な絶えそね
ひとみなの ことはたゆとも はにしなの いしいのてこが ことなたえそね

たとえ、部落の人たちから、憎まれても、口をきいてくれなくても、あの石井の小町娘との仲は、いつまでも絶えてくれるな。

美人の娘と、恋仲になると、部落の男たちから、嫉妬され、憎まれてもいい。恋する若者の、決意表明である。

昔から、そういう恋を生きた人は、大勢いる。
部落を女のために捨てて、二人で、新天地で生きるという。

愛する者といれば、どこででも生きられる。
勿論、現代は別である。
そんな思いの強い愛を生きるのは、差別され、迫害された者に言える。
例えば、同性愛者であるとか。

若い頃、一人の年上の男と付き合っていた青年が、40を過ぎても結婚しない。いまでも、彼を好きだという。
その彼は、家を継ぐために、結婚をした。その時に、別れて、今は、会うこともない。しかし、彼は、彼を愛し続けている。
それも、愛の一つの形である。

人間とは、何と、愛しい存在であろうか。
二度と再び無い、この人生を、たった一人の人を愛して生きるという。
極まるところ、人生とは、最大の自己満足を生きる者が、幸せという感覚を得る。
どこに、何に、自己満足を得るか。
問題は、それである。

信濃国の歌
信濃なる 千曲の川の 細石 君し踏みてば 玉と拾はむ
しなのなる ちくまのかわの さざいし きみしふみてば たまとひろわん

実は、私の好きな歌である。

千曲川の細石でも、あなたが踏んだ石ならば、私にとっては、玉のようにものである。

間接的、愛の告白である。

いつも眺めていた、細石が、あなたの存在によって、光るのである。
あなたの足が触れた石に、あなたが宿ると感じる心。
その石を胸にあてて、あなたを慕う。
片恋、片思いの、篤き恋情である。

今は亡き、映画評論家の小森という、おばちゃんがいた。
彼女曰く。
彼を帰した後、彼の着ていたパジャマを抱きしめて、彼を思うの、と。
同じである。
そんな相手のいることが、幸せである。
何も大層なものなどいらない。
そんな相手がいるというだけで、幸せを感じるのである。

今も昔も変わらない。

幸せは、幸せを感じられる心にある。
どんなに、不幸であると、客観的に見ても、本人が幸せであること、それが重要である。
私は、多くそういう人を見ている。




posted by 天山 at 00:00| Comment(0) | もののあわれについて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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