2014年08月28日

国を愛して何が悪い151

万葉集にも、仏教関係の歌が、全く無いに等しい。
では、日本人は、仏教をどのように、受け入れたのか。

勿論、大衆にとっての仏教は、鎌倉時代まで待たなければならないが・・・
それでも、初期の仏教は、どのようなイメージだったのか。
それは、現代に続く、伝統とまで言われる、仏教の大本である。

無常観は、本来それだけで成立する観念ではない・・・
常住真実なるもの(仏)が存在して、はじめて成立する観念である。言わば常住真実なるものから与えられた一種冷徹な認識能力である。そういう思索の面は度外視して、人間流離の悲哀としてうけとり叙情化した。仏教の諸原理の中から、とくに無常観だけを、しかも「無常哀感」と言ったかたちでとらえた点に特徴があると言ってよかろう。辛うじてしらべと化したのだが、挽歌の哀感に比べるとやはり観念的で弱い。
亀井

実際、仏教の影響は、微々たるものだった。
しかし、観念の上ではそうであるが・・・

造寺、造仏、装飾などの、造型面では、特別な情熱をかけているのである。

ここに、特徴がある。

推古朝から奈良朝までの古代仏教をみて誰でも気づくことは、思索や修行よりも、造型面に対して過度と思われるほどの情熱を示している点だ。厳密に言えば、これは仏教享受における第一義の道ではない。
亀井

仏教伝来と共に、渡来した大陸の人々の影響も、大きいのだろうが。

古代、仏教と言えば、寺、仏像、その他の造型物である。

蘇我馬子も、その偉大さを示すために、寺を建立した。
当時としては、それは、大変な建物である。

古代日本における仏教享受は、主として第二義の道において行なわれたところに特徴がある。
亀井

第一義とは、法を聞いて、如来に帰依する。出家修行して、乞食修行をし、真理を探究することである。

だが、第一義より、第二義に重きを置いたのである。
つまり、見る物としての、仏教である。

日本人は、信じる、信仰するという、方法を見出せなかったのではないか。
それ以前の信仰として考えれば、ただ、自然を崇めていた、自然崇敬である。
そして、祖霊に対する所作である。

思想を信じるという、態度を知らない。
教えとか、法というもの、つまり、思想を信じるという、心得を持たなかったのである。

目の前に、見る物、それが、崇敬の対象だった。
だから、仏教も、それを見ることから、始まったといえる。

そのためには、仏教の造型面が必要だったといえる。

インド、中国、朝鮮を経て、充分に発達あるいは変化し、造型面においても爛熟していたそのかたちで伝来した。宗教であるとともに、「新しい文明」として、様々の技術とともに受け入れられたという事情である。国家統一のための政治力も作用していたことは言うまでもない。
亀井

その造型の色彩・・・
それは、日本人が目にしたことの無いものである。
驚かすには、とても効果があったのだろう。

そして、もう一つは、その経典が大乗仏教であったことである。

或る意味でこれは危険なことなのだ。出家者としてのきびしい修行、戒律の厳守をすすめるよりは、僧俗をとわない広汎で無拘束な世界をもたらすからである。換言すれば、成仏のためのあらゆる可能性を示す、その意味では自由無碍の世界と言ってよい。
亀井

ここに、日本仏教の根本がある。
そして、その堕落の元もある。

無拘束・・・
結果的に、鎌倉仏教になり、実に、無拘束になった。

大乗仏教というより、日本仏教と成り果てて、更には、大いに堕落した。
その堕落とは、無節操である。

ついには、妻帯して、俗と変わらぬ僧が出来た。
つまり、衆生と何一つ変わらず、そして、それでいいという、姿勢である。

仏教の僧は、衆生なのである。
であるから、突然、仏教の新興宗教などが、続々と誕生することを、許した。
無節操なのである。

伝来した仏教は、芸術の面々で、大きな貢献をしたが・・・
その思想としては、単なる、妄想の域に留まっている。

日本は、仏教国と言われるが・・・
恥ずかしい限りである。
それは、造形物により、成り立つが、思想としては、何とも怪しい。

勿論、今では、本物の仏教と言っても、インドでさえ、仏教は、廃れて、形無しである。辛うじて、小乗仏教の国々の東南アジアに、その影を見るのみである。

ただし、文芸においては、大きな影響を与えた。
それが、軽薄なものであれ、深みのあるものであれ・・・

それこそ、衆生の方が、真っ当に、仏教に対座したと言えるのではないか。

仏陀は、生き方指導をしたのである。
生きるための、教えだった。
壮大な、妄想、創作の教えではない。
これから、仏教が目覚めるとしたなら、その仏陀の教えに立ち戻ることしかない。
そのためには、日本人の精神史を見つめ直すことである。



posted by 天山 at 05:48| 国を愛して何が悪い3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。