2014年07月31日

国を愛して何が悪い145

古代は日本史における最初の長年月にわたる民族変貌期である。大陸文化との、或るときは緩慢な、或るときは激しい接触によって、日本民族が大変化を迫られた時期だ。
亀井

紀元前からの交通もあったが・・・
平安期を除く、六世紀半ばから、八世紀にわたり、変貌の激しさが解る。

欽明天皇から推古天皇、539年から630年。
孝徳天皇から推古天皇、645年から697年。
聖武天皇から光仁天皇、724年から780年。

この期間における、内外の主要事項、直面した課題・・・
亀井は、五つに要約している。
完結に紹介する。

第一は、大陸との外交関係。直接的には、朝鮮半島である。
四世紀頃には、すでに、日本軍の大規模な出征があった。それ以来、高句麗、新羅、百済との往来が激しくなった。
大和朝廷では、それにより、苦労が耐えなかった。
日本書記には、それらの事実が記載されている。

第二は、国内における、大氏族の私権拡大である。
天皇中心の統一国家であるが、天皇家を巡り、大氏族が内紛、陰謀、そして殺人、クーデター等の連続である。
また、帝位を巡る相克もある。

第三は、帰化人の影響である。
儒教、仏教思想をはじめ、様々な書物、新技術により、政治、経済、文化のあらゆる面に、活躍が見られる。
帰化人を無視して、古代文化の形成は、有り得ない。
そして、日本人との猛烈な混血作用である。
これも、民族変貌の重要な、要素だ。

第四に、仏教、儒教の伝来である。
民族を根幹において動揺させるのは、思想である。
更に、帰化人だけではなく、遣隋使、遣唐使、外来の僧により、仏教の浸透である。
奈良朝における、国分寺建立によって、仏教国家が成立した。
これは、重大な事柄である。

第五は、漢文字の伝来による、言語表現の革命である。
亀井は、これが、最大の事件だったと、言う。
外来の文字によって、口伝を表現しようとした、また、漢文字によって、新しい表現方法を見出したことである。

私は、漢文字も勿論、儒教と仏教、特に、仏教の影響を考える。

物部氏と蘇我氏の戦いは、氏族の闘いであり、仏教受容の闘いであった。
結果は、仏教国になる。

特に、聖徳太子の影響が大きい。

今までの、神ながらの道と、仏教という、審の神、となりのかみ、との、折り合いである。
そして、仏教は、その思想というより、まず、仏像から入ったことである。

古代人は、新しい神が、その姿を現して存在するということに、驚き、その像を持って、新しい、信仰の形を知ることになる。

それまでは、とても簡単な祭り事であったものが・・・
仏像によって、それを管理し、そして、拝むという行為を、驚きを持ってみたはずである。

更に、寺院の建立である。
神の社というものの、原型がある。

それが、国の寺を建てるという・・・
それ程、仏教の信仰だが、その時は、思想までには、至らない。

拝み、頼むものという、意識。
画期的なことだったはずだ。

漢文字による、観念というものの、発見も、驚きだっただろう。
地に水が染み入るように、古代人の精神の中に染み入ったものと、考える。

これら諸問題のもつ様々の矛盾や不安にかこまれ、それを危機として自覚したところから、国史編纂や仏教信仰が成立したとみてよかろう。
亀井

信仰というより、よく解らないがための、崇拝である。
日本人が、信仰というものを、深く実感するのは、鎌倉時代になる。
鎌倉仏教という、新興宗教の成立により、信仰というものの、姿が現れるのである。

蒙昧の中に、現れた仏像を、そのままに受け入れた。
そのような、作法は未だ無かった時代である。

百済王から贈られた、一つの仏像がきっかけだった。

更に、亀井は、一切触れていないが、道教の影響である。
これが、実に曲者である。
その姿を現さずに、ひっそりと、道教の考え方が入り込んできたのである。

それは、多く帰化人たちからである。
生活習慣のような形で、それが、古代日本に広まった。

その道教は、道教の専門家たちからではない。
道教の道士が、日本に伝道に来たということではなく、民衆道教といわれる道教が、入って来たのである。

今も、その伝統が、日本の伝統の中に隠れて存在している。
そして、後に、それらが、仏教を始め、日本の文化のあらゆるところに入り込んで行く。

表向きは、仏教、儒教、密教、陰陽道、山岳、修験者等々だが、それらに入り込んでいるのだ。
勿論、神社の中にもである。

現在、神社が出している、御札というものも、道教からのものである。
更に、お守りなども・・・

歴史の表に出ない、恐るべき、民衆道教の伝承である。
ちなみに、大陸の道教には、宗教としての、道教が存在する。
成立道教と呼ぶ。


posted by 天山 at 05:51| 国を愛して何が悪い3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。