2014年07月28日

整体5

さて、深層心理学により、無意識の情動コンプレックスは、意識のコントロールがきかない形で活動し、神経症、その他の、精神的疾患などを引き起こす。

これは、情動の発生部位が皮質よりも、下にあるために、皮質と結び付いている意識の働きによって、抑制され、無意識の領域に抑え込まれているからだ。

生理心理学的には、無意識の作用は、脳、或いは、体の特定の部位に限定できない。
無意識は、記憶の貯蔵庫と考えられるが、脳生理学の研究が進むにつれ、記憶の局所化は、困難であることが、明らかにされた。

ここで、色々な説が生まれた。
例えば、心は、体を離れても、存続し得るのではないか・・・
または、心から脳への作用があるのではないか・・・

脳は、心が創るという学者もいるのだ。

ただ、東洋の場合は、無意識下の世界の認識を早くから取り入れている。
体と脳、そして、心の問題は、尽きない。

更に、脳の精神的活動である。

体の三つの回路について書いたが、おおよそまとめると、皮質を中枢とする、外界感覚、運動回路の能力は、情動作用と直接の関係は無い。

第一の、全身内部感覚回路の能力に依存している。
そして、この回路は、体の習慣づけられたメカニズムと、関連している。

訓練により、無意識のうちに体を自由自在に動かせることのできる人は、記憶能力の発達により、体の諸器官の働き方を、習慣づける第二の回路の能力が高まり、第一の回路の活動能力を高めることが、できる。

そこで、第三の情動、本能回路は、第一の感覚、運動回路と直接の関係は無い。
だが、全く無関係と言う訳でもない。

整体は、そのうちの、第三の情動を見抜き、第二の回路に対して、刺激を与える。
勿論、第一の回路も無視しないのである。

第二の回路の、体の習慣づけによる、不調和を皮膚と、筋肉を刺激して、適当な安定感を与える。
それから、不調和を自覚する部位に対する、反射区に刺激を与えて、本来の能力を引き出す。

この、本来の能力とは、その本人が、楽を感じる、または、あるべき姿に近づけるという、行為になる。
整体は、そのための、手段になるのである。

体が、楽になれば、呼吸が整う。
呼吸が整うことは、精神と心が、安定するということになる。

ここで、瞑想法なども、考えられるが、それは、指導者が必要である。

整体は、瞑想に近い感覚を、与える手段でもある。

更に、筋肉への刺激は、運動刺激になり、施術を受ける側は、刺激を受けることで、運動をしたような体の状態になる。

人間の体には、軽い運動と、呼吸の整えが必要だということである。

それは、自律神経に関係することになる。

この、自律神経機能のコントロールに関して、整体は、一定の力を発揮できるのである。

外界感覚、運動回路の働きと、自律系の働きの大きな違いは、前者が意志の自由に従うが、後者、自律神経系は、自由にならないということである。

それは、心臓の拍動とか、胃の消化器官の活動は、意志から独立して、勝手に行なわれないからである。

自由にならない、自律神経とは、自律的に行なわれているということである。

自律神経の働きに、支配されている内蔵諸器官の活動は、意識の働きから、独立して、営まれる。
それが、不調和を起こすと、自律神経失調ということになる。

だが、それも体の一部であるから、全く関係ないとは、言い切れない。
その心は、情動作用を通して、自律神経の働きに影響を及ぼし、内蔵器官の活動に影響を与えるのである。

この情動作用が問題である。
その情動が、乱れるのは、何故か・・・

感覚貴下を支配する、感覚神経は、大脳皮質に中枢があり、自律神経の方は、皮質下、脳幹に中枢があり、両者は、分かれているが、皮質と皮質下には、一時的結合が作り出されるのである。

情動の働きが、皮質、感覚神経、と皮質下、自律神経を結び付ける、新しい一時的回路を作り出すということである。

深層心理学から見れば、無意識下に抑圧された情動コンプレックスがあれば、自律神経のバランスを崩し、内臓器官の変調を引き起こすということになる。

それは、心理的側面から見て、歪んだ情動コンプレックスが、固定して、自律系の機能が障害を受けるということで、生理的側面から見れば、皮質、感覚、運動系の機能と、自律系の機能の間に、条件反射による、一時的結合のメカニズムが創り出されたということを、意味する。

整体は、その一時的メカニズムが創り出された、そのメカニズムを、正しい、正常な方向に、刺激を持って、戻すという施術になる。

ただ、体ばかりを扱うのではない。
整体と共に、施術を受ける側の声に、耳を傾けるという行為が必要になる。
何故、そのようになったのか。そして、何が問題を意識させているのか、である。

体とは、全く別な事柄によって、精神的にダメージを受けている、故に、体が、凝る、張る、痛みがある等々・・・

つまり、整体とは、体を通した、カウンセリングの要素も大であるということだ。
ただ、体を刺激して良いわけではない。
問題のテーマは何か、である。

それが、心理的なものであれば、更に、良く話に耳を傾けるべきである。



posted by 天山 at 05:19| 整体 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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