2014年06月11日

国を愛して何が悪い138

推古天皇の頃、実は、聖徳太子が、国書を作っていた。
それを蘇我家が、保存していた。

だが、蘇我入鹿が討たれたことにより、蘇我蝦夷は、屋敷に火を放ち、燃やしてしまった。
もし、それが、残っていれば、まだ古代の謎が解けた。

焼け跡の中から、その一部が、天智天皇に渡された。
それから、古事記編纂へと行く。

古事記という言場の古墳から発掘された一語一語は、それぞれ何百年もの背景をもって錯綜している。
亀井

つまり、古事記に込められた、祈り、である。

文字が無かったから、言葉がなかったということは、有り得ない。
その言葉が、後に、言霊と呼ばれるほどのものになるのである。

言葉と文字の発生には、それぞれの民族の思いがある。
矢張り、言葉と文字には、特別の感覚があった。

日本の言葉の発生は、
精神史に即して考えるとき、一番大切なのは、神々のいのちとしての言葉ではなかろうか。
亀井
と、いうことになる。

縄文期の人々は、平和であり、自然と共生して生きていた。
争いというものがないのである。

つまり、自然の共生の中に、自然から多くのことを学んだ。
その時に、自然が、結び、産霊、むすび、という事実を観た。

古事記の中でも、天照御大神と並び、産巣日神、むすびのかみ、根源神として存在するほど、大切なことだった。

むすび、とは、働きのことである。
自然の中は、むすび、に溢れていた。

そして、人間もまた、むすび、によって、生かされ、生きているという事実である。

その産霊、むすび、が後に、タマと別名が付く。
タマとは、魂と後に書くようになる。

そして、地、チという言葉である。
この、チは、地だけではなく、原始霊力を現した。

更に、集落の人たちを、まとめるカミである。
それは、上として、著した。

現在の神観念とは、全く別物である。

更に、大和言葉を探ってゆくと、そのカミは、分配する人という意味になってゆく。

カム、カマ、カミという、並びにある。
カムは、魂、霊であり、カマは、竈である。
人間は、目に見えない、カムと、食べること、竈によって、生きている。

その後、カミという言葉が、出来た。
それが、漢語の神という文字に当てられた。

さて、最初の言葉は、霊が懸かり、シャーマンと呼ばれる、巫女から発せられたという考え方が学問の世界では、取り入れられている。
間違いがないだろうと、思える。

それから、繰り返されて、一つの言葉の意味が、出来上がる。
最初は、全く、わけのわからないもの、である。

亀井は、
暗示的であったり、象徴的であったものの中から、生死や生産のふしぎにむすびついた感動深い音声の思い出が幾たびもくりかえされ、口伝され、そうしているうちに「言葉」を誕生せしめ、一の「表現」(詞章)に達したのではないか。
と、言う。

最初は、感動深い、音声である。
それが、繰り返されて、言葉の初めとなる。

この場合、巫女の姿態が動き、言葉の誕生は同時に舞踊の誕生であったと想像してもよかろう。つまり唱えることと、身体を動かすことで、古代人の精神はおそらく最初の「形」を与えられた。
亀井

神楽というものが、生まれる。
それは、言葉の初めと、同じである。

その無意識の伝えが、今も、各地の祭りで行なわれる。
お祭りは、歌と踊りである。

どの民族においても、そのようである。

踊りは、お祭りの場だけではない。
現代の踊り、つまり、体を動かすことで、原始的な意識を取り戻す。そして、何かを回復している。一時期流行したディスコなども、それである。

踊りで、陶酔した無意識が、時に、大きな暗示や、生きる力を与える。

今日の我々の経験から言っても、言葉ほどあいまいで不安定なものはない。たとえば「思想」とか「自由」とか「愛情」といった言葉を我々はわかりきったもののように使っているが、その一つ一つをとりあげて、厳密に検討すれば、各人各説となって、すなわちわけのわからないものになってしまう。それを幾重にも組み合わせながら、辛うじて或る「表現」に近づくわけだが、それは辛うじて近づくだけであって、当事者からもれば「表現」に完成のないことは周知のとおりである。完成とは一種の「中絶」であるか「死」である。
亀井

感動による沈黙の深さは、その恨みが宿っている筈だ。
亀井

この沈黙・・・
ここに、日本人の精神の秘密がある。
沈黙するほどに、感ずる心、である。

何が何でも、言葉にしようとする、欧米の思想とは、全く、別物である。
そして、その沈黙を破るとする場合は、歌になるのである。

言葉の羅列を嫌う。
言葉を極限に抑えて、表現する。
だから、今も、和歌の伝統が生きているのである。



posted by 天山 at 06:11| 国を愛して何が悪い3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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