2014年02月22日

国を愛して何が悪い115

愛、寛容、愛情、同情、憐ピンは古来最高の徳として、すなわち人の霊魂の属性中最も高きものとして認められた。
新渡戸

それは、二つの意味として、王者の徳と考えられたとのこと。

一つは、高貴なる精神に伴う、多くの属性中王位を占めるものとして。
また特に、王者の道に相応しい徳として。

慈悲は王冠よりも善く王者に似合うとか、慈悲は王シャクをもってする支配以上であるとか、これを言葉にするにはシェクスピアを必要としたが、これを心に感ずるにはあえて彼を要せず、世界各国民皆これを知ったのである。
新渡戸

これは、第五章に書かれる、仁・惻隠の心、という章である。

ここで、新渡戸は、仁を掲げる。

孔子、孟子、共に、仁を、王者たる者の、不可欠要件を定義して、仁とは人なり、と言う。

確かに、仁とは、君子の道であった。
だが、それ以前・・・
つまり、漢語の仁が、入る前は・・・

あはれ・・・
であった。

哀れ、憐れ、更に、多くの感情的な心の動きである。
それがあれば、こそ、仁の心得も、理解したのである。

更に、惻隠の情も、である。

私はいかなる種類の専制政治をも支持するものでは断じてない。しかしながら封建制を専制政治と同一視するは誤謬である。
新渡戸

封建制を、専制政治と、理解すると、誤るのである。

封建君主は臣下に対して相互的義務を負うとは考えなかったが、自己の先祖ならびに天に対して高き責任感を有した。彼は民の父であり、民は天より保護を委ねられたる子であった。
新渡戸

かくして民衆の世論と君主の意志、もしくは民主主義と絶対主義とは融合した。かくして武士道もまた、通常与えられているとは異なる意味において父権政治を受けいれ、かつ確認した。
新渡戸

専制政治と、父権政治の違いは、前者は、自民がいやいやながら、服従する。

父権政治は、「かの誇りをもってせる帰順、かの品位を保てる従順、かの隷従の中にありながら高き自由の精神の生くる心の服従」である。

西欧の政治を評する言葉を使用して、新渡戸は、説明する。

それは、省略して・・・

この故に我が国民にありては、君主の権力の自由なる行使はヨーロッパにおけるがごとくに重圧と感ぜられるのみではなく、人民の感情に対する親父的考慮をもって一般に緩和せられているのである。
新渡戸

私は、西欧に、理想的な王がいたとは、知らない。
西欧の、王位は、権力闘争の結果であり、支配者そのものである。
更に、別の権力によって、倒されると、別の王が、王位を継ぐ。

新渡戸は、ドイツ皇帝の言葉を上げている。
「王位は神の恩恵により、かつ神のみに対する重き義務と巨大なる責任を伴う。いかなる人も、大臣も、議会も、国王からこれを免除しえないのである」

王権神授説・・・

これが、西欧の曲者であるが・・・

仁は柔和なる徳であって、母のことくである。真直なる道義と厳格なる正義とが特に男性的であるとすれば、慈悲は女性的なる柔和さと説得性をもつ。我々は無差別的なる愛に溺れることなく、正義と道義をもってこれに基づくべきことを誡められた。
新渡戸

ここで、新渡戸は、仁、慈悲、愛、と連ねている。
キリスト教徒であるから、そのようになったのであろう。

武士道は、徳川時代に、ほぼ完成した、武士の道である。
その、封建時代をもって、新渡戸は、封建政治・・・云々と言うのか・・・

何故、その封建時代の政治が、ある主の民主主義を有していたか・・・
その種は、天皇の政治にある。

一部、 偏狭な学者は、天皇政治を、専制政治と判定するようだが・・・
日本の、政の、基本は、天皇の政治からである。

如何に、封建制度、政治の中にあっても、天皇の存在、つまり、無形の権威により、支えられていたことを持って、武士道も成り立つのである。

徳川幕府によって、支配されているように、見えるが、違う。
各大名は、天皇の委託を受けて、将軍家が成ると見ていたのである。

仁、慈悲、愛・・・
ここで言われる、人間の情緒的な、それでいて、権威と正義ある、感情は、天皇家、天皇によって、支えられていた。

幕末を見ると、明白である。
武士とは、王氏、つまり、天皇に対し奉る行為を正義とする。

仁、慈悲、愛・・・の総称である、あはれ、の御心は、天皇にある。

京の帝が、浅野匠守あはれである、との言葉により、赤穂浪士が、成り立ったといえる。
帝が、認めた・・・

「武士の情」という言は、直ちに我が国民の高貴なる情感に訴えた。武士の仁愛が他の人間の仁愛と種別的に異なるわけではない。
新渡戸

次は、仁愛である。

二つ共に、訳語である。

この、情け、とは、あはれ、のことである。
それは、天皇の御心が発したものである。

それを武士として、身に付けるべき、心のあり方として、あはれ、が、情けになったのである。




posted by 天山 at 06:38| 国を愛して何が悪い3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。