2014年01月06日

国を愛して何が悪い111

神道の自然崇拝は国土をば我々の奥深きたましいに親しきものたらしめ、その先祖崇拝は系図から系図へと辿って皇室をば全国民共通の遠祖となした。我々にとりて国土は、金脈を採掘したり穀物を収穫したりする土地以上の意味を有するーーーそれは神々、すなわち我々の祖先の霊の神聖なる棲家である。
新渡戸

こういう意識が、語らずとも、国民の意識に潜在的に存在していたということである。
改めて、新渡戸が、このように、書いたという、事実である。

そして、私は、これを民族の智恵と言う。

その智恵の最大の、存在は、天皇である。

また我々にとりて天皇は、法律国家の警察の長ではなく、文化国家の保護者でもなく、地上において肉身をもちたもう天の代表者であり、天の力と仁愛を御一身に兼備したもうのである。
新渡戸

正に、新渡戸の言うとおり、天皇の存在を的確に表現している。

プートミー氏がイギリスの王室について「それは権威のイメージたるのみではなく、国民統一の創造者であり象徴である」と言いしことが真であるとすれば(しかして私はその真なることを信ずるものであるが)、この事は日本の皇室については二倍も三倍にも強調せられるべき事柄である。
新渡戸

新渡戸は、キリスト教徒である・・・
しかし、これほど、日本について、冷静に凝視出来るということは、驚くべき事である。現在の、日本のキリスト教徒に、これほどの、冷静さを求めることは、出来ない。

軽薄なキリスト教信仰の話に、始終するだろう。
まして、天皇、皇室について、これほどの、教養を持ち合わせないのである。

神道の教義には、我が民族の感情生活の二つの支配的特色と呼ばれるべき愛国心および忠義が含まれている。
新渡戸

神道家が、言わないであろうことも、このように言う。

神道を冷静に見つめると、そのような要素によって、成り立つことを、新渡戸は、見抜いたといえる。

国民感情と、その生活の中に、神道は、それを伝えるのである。
神主が、ただ、御幣を振って、人々を祓い清めるだけの、所作の中に、それだけの、意義を見出した。

それは国民的本能・民族的感情を入れた枠であるから、あえて体系的哲学もしくは合理的神学たるを装わないのである。
新渡戸

卓見である。
体系的哲学、合理的神学・・・
それを好む、欧米のキリスト教、指導者、信徒・・・
そして、現代の、賢い馬鹿たち・・・

体系的神学・・・など、どれほどの価値のあるものか。
それらは、人間の頭で、捏ね繰り回した、妄想の数々である。

この宗教―――或いはこの宗教によって表現せられたる民族的感情と言った方が正確ではあるまいか? ―――は武士道の中に忠君愛国を十二分に吹き込んだ。これらは教義としてよりも刺激として作用した。
けだし神道は中世のキリスト教会と異なり、その信者に対しほとんどなんらの信仰箇条をも規定せず、かえって直截簡単なる形式の行為の規準を提供したのである。
新渡戸

教会権威の威圧的要素は、神道には、全く存在しないのである。

更に、監視されなければ、その教えに従わないという、人種でもない。
それは、全て、我が身、自分の中で行なわれる。
規則、作法を、我が身が、作り上げるということである。

それが、また、他の人々に、認知されるという、民族性である。
恥を恐れるという、見方も、そこから出たものであろう。

他人の目ではなく、我が身の、我が目が、重要なのである。
つまり、それは、身を律するという行為になる。

武士道とは、死ぬこととみつけたり・・・
それは、その目が、我が目であるという、強い意識である。

死ぬ時節に、心を安泰にして、死に身を任せるという、諦観。
それは、強さであろう。

それもまた、自然発生的に、合理的神学など、必要とせず・・・受け入れる。

個々で、新渡戸が、宗教という言葉を使用するが・・・
日本には、宗教という言葉は無い。
あれば、伝統である。

しかし、欧米人に語るためには、宗教という言葉が、最低限必要である。

欧米人の伝統という、観念とも、違うからである。
更に、彼らには、伝統と呼べるものは、宗教なのである。

欧米人は、宗教的規範が無くなれば、野蛮人と同じになる。
だから、強く、宗教を意識する。

更に、それが、差別の対象にもなる。
キリスト教を知らない民族は、野蛮で、未開の民族である。
そこからは、また、実に、傲慢な、行為が現れる。

未開の民族、あるいは、キリスト教を知らない人間は、動物に近い・・・
故に、動物のように、扱ってもよいと、なる。

それが、大航海時代の、彼らの、蛮行を生んだ。

次に、新渡戸は、孔子の教えから、武士道を説くのである。
儒教の道徳観念は、武士道にも、大きな影響を与えたのである。



posted by 天山 at 00:27| 国を愛して何が悪い3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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