檻に入れられたようである。
だが、エアコンは、凄く効いた。
セブ島も、酷暑である。
旅も後半に入る。疲れも出る。
まず、休憩である。
兎に角、休憩しなければ、熱中症になるのである。
明日から、ストリートチルドレンとの出会いである。
昼間、たらふく食べたので、夕方過ぎまで、満腹状態だった。
夜はいらないかなーーーと、思いきや、腹が空く。
この辺りには、食堂が沢山ある。
勿論、安い。
私は、一番汚いと思える、食堂を選んだ。
何故か・・・
美味しいから。
コータも一度だけ行ったが、毎日行くのは、私のみ。
顔馴染みになると、楽しいのである。
お母さんが中心で、お父さんと、息子でやっている。
息子がハンサムで、英語がペラペラ。
カレッジを出たという。
おかずを、二品とご飯を注文する。
時には、スープである。
皆、火を通してあるので、問題ない。
朝、夜と、その店に通い、昼は、別の食堂を廻った。
その夜・・・
矢張り、出た。
幽霊である。
二人の男。
一人は、若く、一人は、中年を過ぎていた。
若い男は、この部屋で死んだという。
中年の男は、昔このゲストハウスで、働いていたという。
と、次第に、金縛り状態になるので、清め祓いを瞬時に行う。そして、コーターにかからないように、コータの体に結界を張る。
というように、妄想のようなことも多々ある。
スピリットではない。ゴーストである。
これは、余計な話。
翌日の朝、食堂に行き、10時を待って、街の上に向うことにした。
日本円を両替する。
8ペソのジプニーという、乗り合いバスに乗る。
ジプニーは、至る所を走る。
だが、オープンカーであるから、暑い。
汗だくになりつつ、両替屋に行く。
少し高い。一万円が、3950ペソである。
三万円も両替すれば、次に来た時も、使える。
それから、私は、ストリートチルドレンと出会う場所に行く。
以前出会った、子供たちがいるか・・・
だが、その日は、平日であるから、学校に行って、いないはずだ。
ところが、新しい子が、二人いた。
丁度、物売りのおばさんに、何かを求めている。
手を出すが、おばさんが、文句を言っている。
私は、ハローと声を掛け、おいでと、手を振った。
女の子と男の子である。
食べ物・・・
頷く。
じゃあ行こう・・・
マックと、女の子が聞くので、うんと、頷くと、二人が、突然ゥワーと叫んだ。
マックとは、マクドナルドである。
そこは、少しの金持ちが利用する。
私は、食べたいものを言いなさいと、言うと、チキンとご飯のセットを注文した。
私はコーヒーを注文する。
席に着くと、女の子が嬉しそうに、お喋りする。
年は、二人とも、10歳。
寝ている所は、ハウスである。
チルドレンハウスがある。だが、食事は無い。
それで、腹が空いて、学校に行かず、食べ物を探す。
店員が、私たちの席を通るたびに、私に笑顔で答える。
兎に角、私が子供たちを連れて歩くと、皆々、笑顔を返す。
女の子は、お父さんがいる。お母さんが、出て行ったという。
男の子は、弟がいる。
そして、運ばれたチキンと、ご飯・・・
男の子は、ポツリと、僕の弟にも・・・云々・・・と、消え入る声で言う。
二人は英語が出来た。
私と通じ合うから、それほどの英語力ではないが・・・
写真を撮り、私は、ホテルに戻ることにした。
そして、店員に、日本語で、頼みますねと言い、二人には、また逢うよと言って、一度、さようならをした。
店を出ようとした時、驚いた。
出口付近の人たちが、全員、私に、微笑みかけるのである。
一瞬、たじろいだ。
ようやく、私も笑顔を作ったが・・・
皆さんに見つめられていた。
こうして、始まった、セブシティのストーリとチルドレンとの、付き合い。
それが・・・
大変な状況になってゆく。