2013年05月29日

霊学108

心霊研究者たちは新たな領域に移動していった。人間の内部のこれまで知られていない能力を探求したのである。そのかたわらでは、公認医学が人類と同じくらい古くから存在する研究をゆっくりと続けていた。おおかたの予想とは裏腹に、この二つの道はついに交わったのである。
超心理学 カステラン

前回までのカステランの著作の、続きである。
心霊主義から、心霊研究である。

動物磁気と、催眠術は、その初期には結びついていた。
磁気術師が、手わざを行うと、患者は特殊な状態に入り、時には、激しい状態、あるいは睡眠に似た状態に陥った。

そして、それは、いつの間にか、治療手段として、臨床医学に入り込んでいたのである。

一々、人の名前、その団体は、省略するが・・・

様々な試みと、研究がなされたのである。

さて、まったく別な方面から、ヒステリーという観念が、姿を現してきた。

フランスの精神科医、フィリップ・ピネルである。
1838年、法制化された、ビネルの改革により、それまでの雑居と恐怖が支配する、監獄状態に代わって、観察と実験と研究の場が、精神障害の専門家たちに提供されるようになった。

ヒステリーの研究は、1880年より、シャルコーと共に、絶頂期を迎えた。

シャルコーは、ヒステリーという名の下に、多数の様々な障害の系列をグループ分けした。
記憶喪失、知覚麻痺、部分的・一時的麻痺、癲癇発作と、紛らわしい痙攣発作、視覚障害、そして、催眠癖である。

催眠状態には三つの段階があるが、多くは継続的に現れ、ときには逆の順序で、あるいは同時並行的にあらわれることもある。いずれの場合も無痛覚症を呈し、その代償としてある種の感覚の残存もしくは過敏をともなう。
カステラン

その実験の様々を記すと、終わらないので・・・結果だけを書く。

催眠状態の患者は、画像があると思い込んだボール紙の微細な特徴を感知した。
そして、聴覚も、視覚と同じように、敏感になる。
筋力昂進。

ヒステリー性睡眠の発作に襲われている間、あるいは、その少し前、患者の体重が急速に減少し、尿を分析すると、あらゆる元素の量的質的減少が確認できた。

ここで、カステランは、
透視能力は、著しく増大した知覚力、あるいは驚異的な記憶力・・・
と、言う。

重い物体の移動、異常なまでの無感覚・・・
交霊会における、霊媒の体重減少も、同様に説明できる可能性がある。

偉大な霊媒師は、ヒステリー症、あるいは、ヒステリー癇癪の持ち主である事が、知られている。

ヒステリー患者のそれ自体病理学的な段階にある虚言癖に焦点を合わせることによって、偽装癖の患者の身体まで及んでいることが明らかになった。ヒステリー患者は身体で嘘をつくのである。
カステラン

シャルコーの後継者である、ジャネは、ヒステリーを通じて、自動症や心理学的無意識の世界を発見した。
そして、心霊現象の領域である、人格の病的分裂をも、明らかにした。

ジャネは、
心霊主義のいう催眠状態、あるいは人格分裂は、ヒステリー患者の意識の弱まったフィールドを、一群の思考が急激、かつ一時的に占領し、姿を現しただけのことである。
霊たちが送り出すイメージを受け止めるといわれている水晶玉は、ヒステリー患者を人格分裂状態に入らせる役割を果たしているだけだ。
と、言う。

ジャネは、人格分裂に、感情的動機があるとは、考えなかった。
そこで、フロイトの登場である。
フロイトは、ヒステリーの範疇を超えて、失錯行為、言い違い、忘却、夢を通じて日常生活に密着し、これらの侵害が内部に由来するものであり、正常な生を持つと示したのである。

ジャネの別の言い方では、霊媒の自動書記、人格分裂現象は、あらゆる病理症候と同様に、無数の筋道を通じて、正常な生理につながっている。
病気と健康の境界線を議論し始めると、尽きることがない。
と、なる。

人間の内部には、無意識の要素が集まり、第二人格を形成しようとする傾向があるという、考え方も現れた。

霊媒は、通常の限界を超えてしまうものである。
役者は、その極限にまでいたるが、霊媒は、イッてしまうのである。

病理的精神自動症を完璧に研究し、クレランボー症候群という一つの症候群にまとめたのは、フランスの精神医学者、がエタン・ガティアン・ド・クレランボーである。

それによると、
最初のうち、神秘家の創造的努力は完全な意識をともなって行われる。これに対して、無意識の周縁部に放置された精神の萌芽は、斬進的な成熟を遂げるようであり、その最終段階が、啓示や思いがけない意志――自分がその意志の持ち主だと信じられないほど思いがけない意思の噴出、あるいは微発なのである。このような症例は心的幻覚によって翻訳され、自分自身が奪われ、ある霊体に所有されているという感情として表現される。これらの心的幻覚は遅かれ早かれ、感覚、聴覚、言語、そしてとりわけ言語精神活動の幻覚と複合してゆくものである。
と、なる。

科学の上での、無意識の発見は、多くの心霊現象を心霊現象としては、破綻させたのである。

無意識の発見以降は、人格分裂は、外部の霊が、肉体に下降することによって生じるという、二重人格と、必ずしも同一視しなくてもよくなったのである。

人間自体が、二重である。
という、結論である。

だが、話は、まだ続く。




posted by 天山 at 00:07| 霊学2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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