2013年05月14日

神仏は妄想である。418

カインの末裔の破局は、ノアの洪水である。

それは、地のおもてにいた、すべての生き物を、すべて地上から排除するという、神の怒りの計画である。

雨は、40日40夜に渡り降り続く。
そして、水は、150日、地のおもてを、覆った。

アダムの子、カインの末裔の最後である。
ノアが残されたのは、正しく、全き人であった、からである。

その神の怒りとは、人間の腐敗堕落に対する審判である。

自分が創り出した人間の、腐敗と堕落に怒り、滅亡させるという、その神・・・

この神話の原型とされる、バビロニア、シュメールの神話では、洪水は偶然的に、神の気まぐれで起こったものである。
バビロニアの神話では、人間が騒々しくて、神々の安眠が妨害された結果である。
こちらの方が、神話としては、面白い。

だが、聖書作家は、何かを意図する。

それは、洪水が、神の意志による、徹底的な人間の滅びであることだ。
そして、捨てるべき人間と、救うべき人間を、選別するのである。

最後の「残りの人」にむかって収斂する救いの歴史とみているのである。
山形孝夫

実に、姑息なやり方である。

さて、その次は、箱船に乗って、難を逃れたノアが、祭壇を作り、主なる神に、祈りを捧げた時、神が言う。
人に対して大地を呪うことは二度とすまい。人が心に思うことは、幼いときから悪いのだ。わたしは、この度したように生き物をことごとく打つことは、二度とすまい。地の続くかぎり、種蒔きも刈り入れも寒さも暑さも、夏も冬も昼も夜も、やむことはない。

そして、ノアとその子らを、祝福し、
産めよ、増えよ、地に満ちよ・・・
と、言う。

再び、この民の歴史がはじまる。
人類の歴史ではない。
この、一つの部族の歴史である。

ノアは農夫となり、ブドウ畑を作り始める。
その子、セム、ハム、ヤペテに、彼らの子が生まれる。

セムの系図は、ユダヤ人、アラビア人、シリア人である。
ハムの系図は、エジプト人である。
ヤペテの系図は、インド、ヨーロッパ人種である。

そして、セム系の中から、アブラハムが出る。

アブラハムは、メソポタミアのウルに住んでいた。
この遺跡調査の結果、高層神殿が見つかっている。
その塔の下層の土中は、紀元前4000年に遡るといわれる。

シュメール王朝時代の住居跡と、その上を覆う厚さ2,4メートルに達する、洪水跡が観測されている。

ノアの子孫は、定住農耕民のように表現されている。
だが、アブラハムの生活は、違う。
遊牧民、半農耕民である。

さて、アブラハムの旅である。
父テラに従い、ウルを発ち、妻のサラと一緒に、ハランに着き、その地に住む。

ウルも、ハランも、重要な古代通商路だった。

父のテラが、その地で死んだ。
その時、アブラハムに神の声が・・・
あなたは生まれ故郷、父の家を離れてわたしが示す地に行きなさい。わたしはあなたを大いなる国民にし、あなたを祝福し、あなたの名を高める祝福の源となるように・・・

だが、神の示す土地は、書かれていない。
まことに、恐ろしい神の声である。

放浪・・・
その旅は、辛酸極まるものである。

通常ならば、このような神の声とは、悪霊の声として判断される。
しかし、聖書は、神の声と言う。

今に至るまで、この民族は、幸運に恵まれていないのである。
憎みと争いが絶えない・・・

彼らの持ち物は、羊と牛、天幕と家畜を扱う牧者たちである。
これは、遊牧民の有様である。
オアシスからオアシスへの旅・・・

アブラハムは、牧草地を確保し、その地に寄留するための、細心の工夫を凝らすのである。

更に、ついには、追われて、退去するより仕方がなくなるという。

ウルからハラン、そして、エジプトへ。
それは、アラビア砂漠を囲んで渡る旅である。

この具体的な旅の様子は、創世記を読むとよい。

物語には、土地をもたない寄留者のあわれがにじみでている。寄留地の確保という、ただそれだけのことに、アブラハムは、妻を犠牲にするという大きな代償を払わなければならなかった。これと同じ経験は、アブラハムの子のイサクの旅物語にもくり返されている。
山形孝夫

土地取得のための、苦難の旅である。

イスラム教のムハンマドは、このアブラハムの信仰に立ち返れと、名乗りを上げた。
アブラハムは、アラビア人と同じ、セム系の部族である。

創世記は、モーゼ五書の最初である。
そして、作者は、モーゼと言われている。

現在のアラブは、イスラム教が席巻している。
その常識は、世界的に計り知れないものである。

神の名が、アッラーに変わっても・・・




posted by 天山 at 02:34| 神仏は妄想第九弾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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