2013年04月04日

天皇陛下について150

神武天皇より百余代の孫、と署名された天皇である。
第百七代後陽成天皇である。1586年から1611年。

秀吉の天下統一から、徳川家康の継承期である。

秀吉の皇室崇敬のもと、安定した時期のご在位である。
更に、この天皇の文化史上の業績も大きい。
勅命によって、刊行された印刷物が数多く、日本の印刷史上でも、特記せらるべき天皇である。

ご即位後の、二年目、天正16年、秀吉が京都に新築していた、聚楽第が完成した。
天皇にご臨席、臨幸という、を求めた。

その日、4月14日、秀吉は、早朝に参内し、天皇のご機嫌を伺い、左右両大臣をはじめ、織田信雄、徳川家康、前田利家以下、文武の百官を率いて、行幸のお供をした。

御所から聚楽第まで、15町、1,5キロ。
先駆は、すでに聚楽第に到着しているが、最後尾は、まだ御所の門を出なかったという。

更に、内大臣織田信雄、大納言家康以下、29名の諸大名をして、誓紙を奉らせている。

皇室の御料所地子以下、ならびに公家問跡衆処々知行など、もし無道の族これあるにおいては、おのおのとして、かたく意見をくわえ、当分の儀は申すにおよばず、子々孫々、異議なきのよう、申しおくべきこと

諸大名に、尊王を誓わせたのである。

天皇のご滞在は、三日から、五日となった。

天皇と秀吉の和歌のやり取りがある。
秀吉
時を得し 玉の光の あらわれて みゆきぞけふの もろ人の袖

天皇
玉をなほ みがくにつけて 世にひろく あふぐ光を うつすことのは

正親町上皇も
うづもれし 道もただしき 折にあひて 玉の光の 世にくもりなき

玉の光は、君臣の道が正しいことである。

さて、秀吉の朝鮮出兵である。
天皇にも、大明国を平げた上で、天皇の行幸を求めた。
天皇も、驚かれて、勅書を下された。

朝家「朝廷」のため、天下のため、かへすがへすも、おもいどまり候へ

だが、秀吉は、明国との和議が起こった後で
汝、豊臣秀吉を報じて日本国王となす
との、文句を見て、激怒する。

尊皇をもって、天下平定の大義である。秀吉には、その文面が無礼極まるものだった。

だが、その後、病死する。
後を継ぐのが、家康である。

皇室尊崇という点では、家康は、どの程度だったのか・・・

家康の開幕などで、天皇のご不満は募り、遂に、慶長16年、ご譲位・・・

ある時、家康が参内した。
豊臣秀頼征伐のことを奏上すると、天皇は、気色荒く
秀頼は、そちの婿ではないか。何の罪あっての征伐なのか
と、咎めた。

ここから、家康は、天皇を怨んだという。

元和三年、1617年、二代将軍徳川秀忠が、上洛し、仙洞御所の玉座に召された。

なんじを、父家康のように意見をすることが出来るのは、私より他にはあるまい。家康は、一生の間、兵馬を駆け巡った。したがって、その身の行いは、王道に背くこともあろう。しかし、秀忠は違う。治国の将たること、生まれながらである。殺伐をやめ、仁政を施すことだ。さすれば、子孫も無事に栄え、朝廷の守護もしっかり出来よう。過ちありと、気付いたら、すぐに改めることだ。そうあってこそ、天下の人々は仰いで、尊敬することであろう。少しでも、怠ることがあれば、天は、そのものに加護を垂れたまわぬであろう。

この元和三年8月、崩御される。
御年は、47歳であった。

後陽成天皇が、ご譲位によって、センソされたのが、御年16歳の、第百八代、後水尾天皇である。1611年から1629年。

朝廷と幕府の関係により、影響をお受けになられるのである。

25歳の元和六年、1620年、将軍秀忠の娘、和子を女御とし、四年後の寛永元年、中宮、皇后とされた。

公家、武家を問わず、女を入れて、皇室の外戚となり、権勢の手段とするのは、過去幾度となくあったこと。
徳川氏も、その方法を取ったのである。

更に、幕府は、諸大名と朝廷が結ぶのを恐れた。

参勤交代の際に、京都市内を通らせず、伏見を通らせた。
伏見奉行を置いたのである。

更に、天皇も、京都の外には、出られない。
それは、幕末まで続く。

元和元年1615年には、禁中並公家諸法度が制定された。

元号制定、官位栄典授与、大切な朝廷の事務、朝臣の処分権なども、実質的には、幕府が握ったのである。

天皇は、ご譲位を決意されるが、辛うじて、耐えられる。
だが、三第将軍家光の乳母福が、無位無官の身で、天皇に拝謁したいとの事件で、遂に、ご譲位を決心する。

その行為は、余りにも、目に余るものだった。
朝廷の権威、天皇の権威を無視するものである。

天皇家が、武家ならば、その場で、斬られる程のことである。




posted by 天山 at 00:02| 天皇陛下について3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。