2013年04月02日

天皇陛下について148

第百四代後柏原天皇センソ。1500年から1526年。

当時は、戦国時代の闇の時代である。

先代、後土御門天皇の、ご努力により、朝儀の復興は成ったが、即位の大典には、五百石ほどの費用が必要だった。
だが、調達できない。

管領の細川政元は、
即位の儀式など一文の得もない。強力な力の無い者は、帝王でもないでもない
と、言う。

公武の諸氏が、それに同意したといから、呆れるばかりである。

即位の大典は、センソ後、22年目に行われた。

天皇が朝儀の復興に努められたからである。

また、天皇は、瘡病が流行し、人々が苦しむのを御覧になり、自ら、般若心経を書写して、延暦寺、仁和寺に納められた。

ご在位26年、崩御される。
第百五代後奈良天皇センソ。1526年から1557年。
御年、31歳。

それから、十年後に即位の大典を執り行われた。
皇室の衰退は、甚だしいものだった。

その極みに達し、日々の食事すら欠乏するのである。
皇室が衰退したのは、歴史的にこの時である。

御所の屋根は、破れ傾き、修理が出来ない。
お庭も、原野同然。
紫宸殿の前庭には、庶民が、よしず張りの茶屋を開いたというから、驚く。

御所の廊下も、子供たちの遊び場になっていた。

ところが、天皇は、それに対して、ビクともしない。
毅然とされて、その尊厳さは、これまでにないものと、言われた。

天文8年、1539年である。
諸国に洪水と凶作の被害が出る。
翌年は、飢饉である。
疫病も流行り、病死者無数。

時に天皇は、般若心経を書写して、悪疫の終息を祈られる。
その御自らの、心経は、諸国の一宮に奉納された。
各地、25ヶ所に及んだという。

天下大疫病、万人多く死亡せり。われ、民の父母として徳覆うあたわず、わが心いたむ。ひそかに「般若心経」一巻を金字にうつし、僧正をしてこれを供養させた。ねがわくば疾病の妙薬になってほしい。

奈良朝に、聖武天皇の例がある。
しかし、皇室の経済力には、雲泥の差である。
最悪、最低の時代にもかかわらず、天皇のご実践がある。

天文9年は、織田信長の父、信秀が、三河の安祥城を陥落させた頃である。
5月には、武田信玄の父、信虎が、信濃の佐久郡を攻略していた。

この信虎が信玄に追われて、今川義元に頼るのは、この翌年のことである。

その四年後、天皇は、ご即位後20年を経ても、だいじょうえ、つまり、おおにあえ祭りという、即位された天皇が、天照御大神の、御子となる、重大な儀式である、を執り行えない。

伊勢の大神宮に対し奉りて、
このことは、あえて怠るのではございません。国力が衰微しているため、出来ないでいるのです。
未だ願いを満たしておりません理由は、公道が行われず、賢聖有徳の人物がなく、下克上の心盛んで、暴悪の族が横行しているためでございます。
守護の武士、みだりに自己の欲心を満足させ、諸社の神事も衰え、諸王諸臣も衰微、絶対の皇位さえ危ういという状況、もはやこれは、神々の御加護なくば、長き皇統の将来も心配です。いそぎ威力を下さり、上下和し、庶民も安全で、豊かに、また宝ソ長久を祈願いたします。

天皇は、35歳の享録3年、神祇というお題で、
いそのかみ ふるき茅萱の 宮柱 たてかふる世に 逢はざらめやも
と、お詠みである。

20年に一度の、伊勢のご遷宮も途絶えていた。

ご在位32年、1557年、天皇は、62歳で崩御あそばす。

第百六代正親町天皇、おうぎまち天皇、1557年から1586年。
御年、41歳である。

ご即位の礼は、三年後の永禄三年正月。
皇室は、貧しい。
大礼の費用は、毛利元就、隆元の父子の献納による。

元就は、そのため、陸奥守、隆元は、大膳太夫に任じられ、桐菊の紋を賜る。

その永禄三年、五月、あの有名な桶狭間の奇襲がある。
駿河の今川義元を斃した一戦である。
織田信長、27歳の時。

やがて、信長は、三河の松平元康、後の徳川家康と結び、尾張一国を支配、更に、美濃の斉藤を滅ぼし、岐阜に移る。

信長が、尾張、美濃などの皇室ご料地回復の命を受けたのは、この年である。

これは、信長の皇室を敬意する忠誠心にもよるが、皇室が、新しく興った武士階級との関係を深め、皇室の権威を回復されようとした第一歩でもある。

信長の父、信秀は、後奈良天皇の天文12年、1543年、京都御所修理のために、銅銭千貫文を献上している。
天皇は、喜び、世間の人々を驚嘆させたのである。

戦国時代、これだけ多額を献じた豪族は、信秀以外に、なかったのである。

織田家は、元、斎部氏である。
越前織田剣神社の神官の出である。



posted by 天山 at 01:39| 天皇陛下について3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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