2012年12月21日

霊学91

ルネサンスという事態は、スペインから追放されたユダヤ教徒が、イタリアに流入したことから、ユダヤ的神秘主義が、同じような神秘的傾向を持つキリスト教徒に刺激を与えて、錬金術、ヘルメス学とカバラの混合した、哲学的なオカルト思想を生むのである。

ドイツでは、ピコのキリスト教的カバラの影響を受けた、ヨハネス・ロイヒリンが、ヘブライ語とギリシャ語を駆使して、スコラ学にかわる、新しい哲学体系を作り上げようとしていた。

彼は、ピタゴラスの再来と言われ、ギリシャ語の普及に努めた、エラスムスと並び称された、学者である。

更に、新ピタゴラス主義者の、学者たちも活躍する。

そんな中でも、特に、アグリッパという学者は、オカルト哲学について、という著作者であり、フィレンツェの思想的ルネサンスと密接に関わる、錬金術師として、有名である。

ドイツ、イギリス、イタリアを訪れて、様々な学者と合流したという。
更に、フランスである。

アグリッパは後に魔術を使って人々を惑わしたものとされて忘れられかけるが、実はルターやエラスムスにも劣らない思想家であり、学者でもあった。ここに新しい時代の到来を告げる宗教改革者のルター、古典復興を重要視したエラスムス、魔術的伝承の中に生きたアグリッパというルネサンスの三人三様の人物のあり方が見られるようにも思う。
秋山さと子

実に、意外なルネサンスの形相である。

アグリッパの、オカルト哲学についてを、少し見ると、三巻に分かれていて、最初に宇宙を三つに分け、元素世界、天空世界、叡智世界と、それぞれ上の世界からの影響を受けて、成り立つとする。

神の徳は叡智世界にいる天使を通り、天空世界の星へと下降し、そこから、元素によって、成り立つ、万物へと下降するという。

第一巻目は、自然的魔術である。
それは、元素世界におれる、魔術についてであり、第二巻は、天空的魔術で、星の影響をどう引きつけて利用するかについてで、カバラ的数の魔術が語られる。
第三巻は、儀式的魔術、また天使の霊による、超天空世界に向けられた、魔術に関するものであり、その世界の彼方には、一なる形成者、つまり、創造主自身が存在するという。

秋山氏は、
フィチーノによる、新プラトン主義と、ピコの、キリスト教カバラが渾然と一体化されていて、同書は、フィレンツェの思想をもっともよくあらわしたものといえるかもしれない。
と、言う。

これ以上の詮索は、止める。

ただ、16世紀後半になると、魔術的ルネサンスに対する反動として、魔女狩りと、魔法使いへの、激しい非難が巻き起こるのである。

ローマカトリックだけではなく、プロテストのキリスト教が、表とすれば、それらは、裏の世界である。

正統キリスト教と考える人々は、それらを、また中世のように、異端として、退けたのである。

魔術は悪魔からのものである、という、告発本も出された。

実際は、どちらが、本当の世界なのかは、未だに、解らない。

キリスト教徒は、カトリック、プロテスタントに限らず、伝統的な各地の教えなどを、悪魔からのものと言って、憚らない。

私が、チューク諸島の、エモン島に戦没者の慰霊に出掛けた際に、一つの葬式を見た。
それは、プロテスタント系の教会で行われていた。
そこで、地元の、それほど熱心ではない、クリスチャンに話を聞くと、死んだ男の子は、黒魔術にかけられた。だが、その方法は、この島では、簡単に解く方法がある。しかし、教会は、それは、悪魔のものとして、認めなかったという。

実際、それは、風土病のようなもので、その人の言うとおり、山から、ある植物の新芽を採って、煎じて飲めば、すぐに良くなるという。
だから、母親は、お墓に向かって、ごめんなさいと、何度も、息子に謝っていたという。

この子は、グアム、ハワイの病院に回されたが、一向に回復せず、遂に、亡くなったという。

島の、伝統的方法を、悪魔的というほど、キリスト教の独善というものは強いのである。

タイに行けば、タイ仏教を悪魔からのものと言って、憚らないという、蒙昧である。

であるから、当時のキリスト教世界のあり方も、それと一緒であろう。

だが、ヘルメス、カバラに関しては、日本語にも訳されていて、滅びないのである。
そこに、何らかの、事実があるからだ。

星占いなども、その一端を担うものである。
しかし、占い、と聞けば、イメージが極端に下がるのである。

この科学全盛の時代に、占いとは・・・
だが、科学が一体、何を完璧に解ったのだろうか・・・

心理学が学問であれば、それらも、学問足りえるのである。
更に、神学が学問と言うなら、それらも、学問足りえるのである。

心理カウンセラーが心理学を用いるように、占い師も、占いを用いて、カウンセリングを行えるのである。

私は、霊学に向かってこれを書いているが、まだまだ、話は広がるようである。

であるから、秋山氏の、手引きに従い、薔薇十字、そして、フリーメーソンも少し説明する。
更に、秘密結社の問題。
それらを総称して、宗教とし、その宗教的なものと、科学との、接点である。

そのどちらも、人間の妄想力である。
科学でさえも、妄想の一つであること。
そして人間は、妄想なくして、生きられない者になったのである。
その中でも、我に関する妄想は、計り知れない。



posted by 天山 at 06:28| 霊学2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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