2012年11月10日

霊学87

ユング心理学が、人間の無意識の根底に集合的で普遍的な元型の存在を認め、その内容をあらわすものとして神話や御伽噺をあげていることはよく知られている。しかし、ユングが考えていた神話的類型の第一に位置するものは、グノーシス派の神話なのである。
秋山さと子

そこで、今までのグノーシス主義の説明に足りないものがある。
それでは、何故、人間がまた、命、魂が、この世に閉じ込められたのかということである。

それぞれの派閥では、言い方が違うが、その大半は、ただ、そうなったという説明だけである。人間の存在の、その元が、ただ、投げ捨てられた、という表現で終わる。

他の宗教にはない、呆気なさである。

実存主義の、所与の実存的状況という。

マニ教の場合は、あらゆる動きは、闇の力によるという。
更に、神的なものが、この世界に転落したり、沈下することは、もっと自発的なものがある。

そして、後に、楽しいとなる神的要因は、最初は、神的なものが、好奇心や虚栄心、情念を起こして、はるか下の領域へ傾くという。

それは、前宇宙的な出来事で、その結果、世界そのものが創られた。
その中に、個々の命、魂が捕らえられたのである。

ああ、我いかにして、この世に生まれしぞ、という、嘆きの言葉生まれる。

更に、異邦の人、人間は、その環境に慣らされ、この世の毒に酔わされる。
多くの人は、その境遇を知らず、恐怖も、苦悩もない。自分のあり方を意識せず、この無意識からの覚醒は、恐怖と絶望につながる。
生きることは、無知にしがみつき、目覚めることをしない。

空海も、仏を知らぬのは、酒に酔ったようなものであると、言うが・・・
少し、似ている。

無知からの、覚醒のために、外からの呼びかけの声が聞えてくる。それを妨げるために、この世界は、騒音をかき立てる。

マンダ教や、マニ教では、超世界的な異邦のものが、人々の前に姿をあらわす。
そして、この異邦のものは、自分の異邦性に気づく人たちに、迎えられる。

グノーシスの特有な考え方に、救済者の命は、救済される命と、同一であるということ。
下降する救済者が救済するのは、かつて世界の中に失われた自分自身の部分である、魂なのである。

救済者は、時の始まりから、様々な姿になり、この世をさ迷う。彼自身が、世界の中に追放されて、自分自身を常に新たに、あらわし続けるという。

ユングは、そのグノーシス主義の、神話に、その狂いを託したのである。

ユングは自分の夢や幻想や、そして、全く学問的素養のない彼の患者たちの妄想の中から、この不思議な、知性と情緒性の混合したこの思考法を見出した。そこには、誰の心にも不思議な感動を呼び覚ます素朴なドラマがあり、同時に奇妙な客観性が伴っていた。
秋山

つまり、ユングは、多くの人の心に眠る、無意識とは、神話的、御伽噺的な主題を持ち、その中に、超越的な客観性を持つなにものかとして、考えたのである。

その普遍性と、集合的な影響力によって、人々は、運命に操られる。
これが、ユングの無意識という概念の背景だと、秋山氏は言う。

そして、その中に、埋もれている、自己こそ、救済されるべき救済者である。

つまり、ユングも、一つの宗教的伝道者であるということだ。

自己が、救済するべき、救済者であるという、結末である。

まさに、オカルトの中に入り込んだ、ユングである。
そして、そこから、様々な論文を発表する。

古代の人間が、妄想したものに、救いがあるとは・・・
人間とは、なんと、救い難いものか・・・

心理学も、精神分析も、学問としての、地位を持つ。
その根底にあるのは、フロイトや、ユング、その他諸々の、妄想なのである。

ちなみに、ユングは、その後、ヘルメス思想、つまり錬金術、秘密結社といわれる、薔薇十字団、更には、東洋の思想から占いに至るまで・・・

その、狂気を収めるために、続々と研究したのである。
妄想に浸る患者よりも、ユングの方が、苦悩していた。

妄想に浸ることは、楽しみである。苦痛は無い。
ところが、それに浸ることが出来ないとしたら・・・

苦しむ。

西欧文化の背後の流れに、それらの奇異とも見える、象徴的な表現の意味を理解したというが、意味づけしたのである。

つまり、現代人の夢を解こうとして・・・

ユングと錬金術やグノーシス主義との関係は相互的で、これらの知識が夢の解釈に役立つと同時に、夢が提出する象徴言語もまた、これらのものの理解を助けたということができよう。
秋山

いやいや、こじ付けである。
理解・・・
何の根拠も無いのである。

いやはや、大変ご苦労な、試みを行ったものである。
これは、ユング教である。

様々な神話、宗教を取り入れて、ユング教を作り上げたということだと、理解する。

そして、学問としたという、驚き。




posted by 天山 at 07:28| 霊学2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。