2012年10月12日

性について218

エロスを考える時、日本語では、性愛と訳されるが・・・

セクシャリティとは、生物学的な概念である。
それでは、エロティシズムとは、心理学的概念となりそうである。

人間のみが、エロティシズムを生む。
それは、実用的な生殖、子供への配慮などを含めた、あらゆる社会的活動に、対立するものとしてある。

人間が、いかに動物と離れたかということが、このエロスの意味を明確にしてくれると、思われる。

動物の性的活動は、周期的であるが、人間のそれは、いつもである。
更に、動物は、生殖のためにあり、そこに快楽があるとは、限らないのである。

また、面白いことに、動物は性交を長引かせて、楽しむことはない。

人間だが、性行為を楽しむのである。
それを、エロスと呼ぶのか・・・

人間は、生殖本能とは別に、快楽の欲求により、動かされるものである。

最初に、マリノフスキーの、トロブリアンド島の原住民たちのことを紹介したが、彼らは、性交と妊娠との間に、因果関係があることを知らなかったのである。

人間のエロティックな快楽の欲望は、種族保存の本能に左右されてあるものではないと、言える。

あらゆる、性倒錯の中で、一番理解し難いのは、童貞である、とは、パーナード・ショーであるが、確かに、性的欲望が自然なものであれば、その能力を使わないのは、倒錯であろう。

エロスは、人間の心理的なものから、発する。
そして、その能力を得たのである。
それは、大脳化であったといえる。

中でも、想像性である。
想像力に優れた人間ゆえの、エロスは、心的運動である。

性というものに、まとわりつくもの、すべてをエロスと考えてみる。
すると、あらゆるものが、エロスに満ちているのである。

だが、人類史の中で、人間がそれを意識し始めたのは、実に遅い。
無知の時代が長すぎるのである。
多分にそれは、父系的一神教が支配していた時代である。

つまり、宗教が邪魔をしていた。
そして、宗教が性に関して、蒙昧であったといえる。

性のエロスを覆い隠しておかなければならない、理由があったのか・・・
多分にあったのである。
人間の欲望を支配することは、端的に、人間を支配することにつながるからだ。

今まで、マスターベーションの歴史、あるいは、同性愛の歴史などを見てきて、特に、その感を強くした。

勿論、ギリシャ時代などの、エロスの世界も存在するが・・・
それは、一端中止させられた。
ギリシャの多神教時代である。

ある種、何でもありの、時代だったといえる。

さて、ここでもエロスは、とても難しい時代に入った。
というのは、心理学的に、男性的、女性的という区分けが、不可能になったからである。
その境界線を引く事が、困難に成ったのである。

エロスは、もう、男女の差を超えたところにあるものになった。

それは、クローン人間にも、現れている。
更に、男無しでも、妊娠が出来る。
人工的に、処女妊娠が可能になったのであるから・・・

また、童貞生殖も、可能になっている。

放射線で、破壊された核のない卵形形質の中に、精子を加えると、精核は単独で活動をはじめて、立派な一個の動物に育つのである。

また、睾丸の悪性腫瘍の中に発見された、一種の胚が、雌の卵子のように、自然に成長して分裂したり、発芽するという特殊な場合も、発見された。

この雄の体内の胚を、ガラス瓶に移して育てると、一人の男から、何千人という子どもを生み出すことができるのである。

そうすると、エロスとして、考えることも、違ってくるのは、当たり前である。
この複雑さに、人間は、耐えられるだろうか。

だが、生物の繁殖の形式は、色々あり、有性生殖だけが、すべてではないのである。
性の無い下等動物がいるように・・・
有性生物が、無性生物と、交互に繰り返しているものもいる。

エロスを考える上でも、文献だけを頼りに、云々する研究者がいるが、誰も未来におけるエロスに関しては、語ることがない。

心理学が言うところの、エロス的人間というものも、その成長による、人間の人格形成を述べるのである。
つまり、それも、親子の関係からはじまるという、お得意のものである。

そこから、現代人に警告を発するという形である。

フロイトなどの考え方から、一歩も先に進まないのである。
そして、それは、それでいい。

母子家庭、父子家庭・・・核家族・・・
男女問わず、未婚の子持ち・・・

家庭というものも、親子というものも違ってくる、未来のエロスとは、何か・・・
解らない。

更には、男女の別が明確ではなくなる、未来のエロスである。

エロティズムというものも、変化する。
その変化に耐えられるだろうか・・・

性愛について・・・
これを見ることにする。



posted by 天山 at 00:07| 性について5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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