2012年09月11日

天皇陛下について127

定省親王、つまり、宇多天皇である。
菅原道真に対する、深い信頼を持たれた。

長年に渡り続けてきた遣唐使の廃止を、道真が天皇に進言されると、遣唐使の派遣が終わった。

すでに多くの学問を取り入れて、十分に、その役目を果たしましたとの、言葉である。

だが、その道真に対する天皇の信任が、藤原氏の怨みを買うことになる。
事実、天皇は、道真を用いることで、藤原氏を牽制したのである。

天皇は、譲位二年後に、髪を剃り、法皇になられた。

天皇の譲位後を、上皇とお呼びする。
更に、上皇が、剃髪して、僧になられることを、法皇と申し上げる。

宇多天皇は、法皇の第一号である。

次の、醍醐天皇、897年より930年。
ご即位は、13歳の年である。

その二年後に、左大臣が、藤原時平、右大臣が、菅原道真である。

天皇が、16歳の時、法皇は、道真と時平の折り合いがよくないことを心配して、どちらか一人に、政治を任せようと思われた。

天皇が朱雀院に、お出掛けされた際に、色々と相談されて、道真を御前に召された。そして、仰せられた。
これから政治は、一人で執るように・・・

道真は、謙虚な人柄であり、その仰せを、お断りした。
これが、藤原氏に漏れたのである。

天皇の御弟の、斉世親王のお妃が、道真の娘であった。そのため、それが、謀略、讒言に利用された。

つまり、
道真は、厚い信認に満足せずに、畏れ多くも、陛下を廃し、斉世親王を御位に、つけようとしている、というものである。

天皇は、はじめは、それを信用しなかった。
だが、傍近くの者に尋ねると、相違ございませんと、応える。

そこで、藤原時平らの上奏のままに、右大臣を辞めさせ、大宰権帥という、低い位に落としたのである。

更に、左遷である。遠く九州の筑前へ・・・

それに驚かれたのは、法皇である。
ただちに、御所に掛け付けられたが、時平の一味であった藤原菅根らが、門を閉じて、入らないようにしたのである。

法皇も、粘るが、どうしても中に入ることが出来ずに、止む無く朱雀院へ、戻られた。

翌年、二月一日、道真は、九州に旅立つ。
そして、大宰府へ。

帥とは、長官という資格だが、仕事はない。
延喜元年、901年。
その三年正月、道真は、病にかかり、それが元で、二月二十五日、亡くなる。59歳だった。

この後、都では、ひでり、大雷雨、火事と、災禍が続いた。
中でも、不思議と言われたのが、時平はじめ、その一味が続々と死んだことである。

人々は、それを、菅原道真の祟りとして、恐れた。

この最中に、延喜二十三年、道真を右大臣に戻し、正二位がおくられ復権したが、災いは、続いた。

醍醐天皇は、ご成長して、益々と賢く、能力を発揮した。

ある年の、寒い冬の夜、天皇は、急に着衣を脱いだ。近くの者、驚き、お尋ねすると、この御殿でも、この寒さである。ここ以外の場所で、どうして多くの人は、寒さをしのいでいるものか。それを思うと、一人温まっている気にはなれないのである、と、お答えになった。

後世、この時代を、延喜の治、と言われた。
この時期に、三代実録、そして、天皇が進めた勅撰和歌集の、古今和歌集の撰などもある。

天皇の、訓戒書が残る。
多く酒飲することなかれ。人に会うてはただ用事をのべ、多くの言語するなかれ。またうちうちの貧富善悪のことはいわぬがいい。
また、そしるということではなくても、よからぬことを言う人がいたら席を立つがよい。もし、どうしても、席を立つ事ができないならば、そのことに同調したりせず、またそういうことを他言せぬがいい。
大怒はいけない。心中はそうでも、思い留まるように。
また、衣類、車馬など、あるにしたがって用い、美麗ぜいたくをしないように。
また簡単に、他人のものを借りるな。借りたら、出来るだけ早く返せ。また、ともにすべきでない物をともにするのは、一家の害のみにとどまらない・・・

菅原道真は、その後、天神様と讃えられ、学問の神様として、お祭りされている。

その後、第六十六代の、一条天皇の御代では、左大臣、正一位、ついで、太政大臣の位が、追贈されている。

だが、藤原氏の勢いは、続くのである。
益々と、奢る藤原氏である。

だがその後、時代は、武士という階級が起こってくることになる。
そして、世の中が、急激に変化するのである。

しかし、天皇の権威は、揺るぐ事が無い。

天皇家には、武器も、皇居には、身を守るものが一つも無い。
ただ揺ぎ無い、天皇の権威というものが、民の心に存在した。

それが、未だに、存続している、日本と言う国である。



posted by 天山 at 00:00| 天皇陛下について3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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