そして、生後は、強く逞しい肉体を作る。
それを、大二次性徴という。
思春期前の成長は、男女差があまりない。むしろ、女の方が、一時的に男を凌ぐこともある。
しかし、思春期になると、女を凌ぐようになる。
睾丸の大きさも急激に、その容積を増す。
この、睾丸で作られる、男性ホルモンが、また、拍車をかけるのである。
おおよそ、人間では、八歳まで、男女共に、成長するが、それを過ぎると、男が女に追いついて、25歳には、性差は歴然とする。
男性ホルモンは、内、外性器を成熟させ、陰毛がはえ、ヒゲが濃くなり、甲状軟骨を突き出して、声変わりさせる。
更に、蛋白同化作用により、黒字のたんぱく質を、筋肉に蓄えて、発達させる。
サルの社会で、血液中の男性ホルモン量を測ると、群れの中で順位の高いほど、濃度が濃いという。
ただし、そのような、オスを、他のオスの中に入れると、急減するという。
つまり、ストレスに最も弱いのが、男性ホルモンであるという。
性行動、即、生殖という、動物は、男性ホルモンの増加するときに、交尾し、減ったときに、休止するのである。
人間の場合は、神経、ホルモン環を更に、上位の脳で、統合させているゆえに、性行動も、男性ホルモンに、大きく左右されることはない。
男の、男性ホルモンの濃度は、季節性がある。
秋に高く、春から夏にかけて、低いのである。
ただし、いつの頃からか、人間の男は、発情するという、制御機構を喪失して、いつも、セクシャル・ドライブ、つまり、性欲、セックスへの欲求に、悩まされるになったのである。
問題は、脳の男性化と、女性化である。
ホルモンの多少で、様々なタイプのオス脳、メス脳が作られるということを、前提にして、考えると、人は、それぞれ、百人百様の、性の形があるといえる。
男の脳に、女への方向付けが、行われると、成長するに従い、性と、心の中の性とに、違和感を感じるようになる。
そして、心とからだの性の、不同一性に悩むのは、人間だけである。
つまり、脳の進化なのである。
オスでなければ、メスか、という、考え方は、できないのである。
オスとメスとの、エレメントが、重なるという・・・
人間の場合は、染色体、性腺、からだの性差、行動の性差が、様々な、男女混合を作るのである。
つまり、100パーセントの、オス、メスというものが存在しないのが、人間なのである。
心の性を、ジェンダーと呼ぶようになった。
最初は、性心理学からである。
それ以来、性同一性、性役割という、言葉も、使われ始めた。
性役割は、生物的要因を基礎に、文化的、社会的要因がかかわり、その相互作用により、形成される、とは、人文科学の解釈であり、この場合は、胎児の時の、脳の性分化のありようが、深く関わっているということを、理解しなければならない。
胎内の脳の、性分化は、生物的、身体的要因の方であり、性役割への、生物的要因の関与する度合いが一層深いのである。
自然科学によれば、脳の男、女への、方向付け、思春期のホルモン分泌による、性的な体質、生理機構の発達による、性的自覚が、重要だとされる。
100パーセントの男がいないように、100パーセントの中性者もいない。仮面をかぶって人間だけがそれを装うことができる。
大島清
基本は、女だった。
そこから、男に成った。
すべては、メスの体から、始まったのである。
そして、男の度合いは、人それぞれだということだ。
ここにおいて、差別する何物も、無くなる。
その昔、ゲイ、男性同性愛者を、精神分析により、治療すると言われた。しかし、大間違いだったのである。
成功例が上げられるが、失敗例は、上げられないのである。
失敗した方が、圧倒的多数であった。
更に、心理学による、分析・・・
全く、役立たずである。
しかし、そこにも、成功例だが、上げられた。
問題は、心理ではなく、脳が、先決だったのである。
心理学とは、統計学であるから、無理なのだ。
統計で、計ることが出来ないのが、人間の性の、あり様である。
男の脳の女性化を、脳により、理解することで、差別が消える。
それは、女の脳にもいえる。
トランスジェンダー
性同一性障害・・・
体と、心の性が、合わない。
不都合を感じる。
更には、深い悩みに冒される。
日本では、早くから、それを病気として認定し、更に、性転換手術をした者の、性別を国籍で、変更することができるようになった。
それは、多分に、宗教的な、規制が無かったである。
未だに、宗教的理由で、それが許されない国々がある。