2012年04月29日

性について。200

はじめにY染色体があって、順当であれば精巣決定遺伝子が精巣をつくる。精巣ができあがる頃、ウォルフ菅だとかミューラー菅といった生殖輪菅系はまだ未分化だ。この段階では、この輪菅系は、どちらの性にも分化する能力をもっている。
大島清

精巣から、男性ホルモンが分泌され、X染色体上のTfm遺伝子が、男性ホルモンのリセプター、受容器を順当に作ると、ウォルフ菅が、副精巣、精管、精嚢、射精菅などの、オス内性器と、更に、外性器を作る。

上記が、性器レベルでの、性の分岐点である。

三つの性の分岐点を経て、性器が出来上がる。

だが、ここからが、問題である。
男性器がついているから、オスに分類し、オスに仕上げようとしても、ままならないことがある。

それが、胎児にとって、最期の性の分岐点である。
脳である。

脳が、性分化される時期は、動物によって違う。
人間の場合は、妊娠四ヶ月目から、七ヶ月にかけてと、妊娠中期、幅の広い期間を持つ。

それだけに、男と女を両端にした種々な性のスペクタル人間ができあがる。
大島

この大切な時期を、臨界期という。
この時期の、脳は、ホルモンの海に、たゆたう神経細胞の集まりである。

その中の、男性ホルモン、女性ホルモン比の組み合わせによって、オス脳と、メス脳、そして、その中間の、脳が作られるのである。

脳の性分化は、遺伝子の性とは、独立しているのである。

どういうことであろうか・・・

つまり、出来上がる脳が、オスであるか、オスの性器を持つのか、メスの性器を持つのかは、別物であるということ。

これは、重大なことである。

ここに、問題がある。

男性ホルモンの影響が多い場合、男性ホルモンの環境に慣れている、オスの場合は、問題ないが、もし、メスであれば、神経細胞の集まりである脳は、男性ホルモンによって、オスへの方向付けが行われるのである。

ここで、大島氏の、言葉である。
脳の性分化に重要な意味があるのは、もし方向付けが歪んでいるとき、遺伝的にはオスであり、ペニスもありながら、自分をオスだと自認しなかったり、性の対象にオスを選んだり、振る舞いもいでたちも異性のもの、といった行動をするということだ。

その逆も、然り。

これが、確認されたのは、1960年代の初めである。
それ以前は、不明なゆえに、とんでもない、差別が行われたのである。

更に、それが、より深く確認されたのは、1970年代である。

オスとメスが、交尾の際に、脳の中枢が違うことを、指摘したのは、1968年である。

オスでは、視索前野、前方視床下部領域であり、メスでは、視床下部腹内側領域というように、同じ視床下部の中でも、ほんの少し交尾に関わる場所にズレがある。

また、胎児の環境での男性ホルモン濃度が強いと、視床下部のニューロンの核が、縮んでしまうことも、確認されたのである。

視床下部核は、成熟メスの場合は、卵巣からの女性ホルモンが、この部分に跳ね返り、人間の場合は、月経周期を作るという、大切な性周期センターなのである。

この部分が、胎児の性分化臨界期に、男性ホルモンに晒されて縮むと、生後成熟したとき、卵巣からの、性ホルモンの作用を、真っ当に受けら入れられなくなる。

そして、脳が晒される男性ホルモンの多寡によって、性欲の低下、両性愛、同性愛といった、様々な、トラブルになるという。

副腎性器症候群という、病気があり、胎児の時に、多量の男性ホルモンが副腎から、分泌される。
それにより、症例を集めて、少女期の性心理学行動を調べた。
明らかに、男性的な少女たちになったという。

ただ、性の同一性は、保たれていたのである。

ドイツに、男性同性愛が圧倒的に、多いことを発見したのは、大二次世界大戦終戦時に生まれた、男子に多かったという。

この発表が、同性愛が、生後の性心理的な発達の歪みによるという、説を完全に覆したのである。

いわゆる臨界期に母親が戦争ストレスを受けて、それが胎児に波及し、男の脳が正常な男性ホルモンのシャワーを浴びなければ、さまざまなタイプの女子脳への方向づけが行われても不思議ではない。
大島

だが、これで、性の分岐点が、終わるわけではない。
生まれてからも、性ホルモンは、オス、メスの体の性差を作り上げるのである。
更に、行動にも、である。

哺乳動物は、下等であれば、あるほど、性差が小さい。
しかし、人間は、高等動物である。
その、性差は、実に大きいのである。

この、性差を無視した、男女平等という言葉ほど、遠いものは無い。
性差は、差別ではない。

区別なのである。

性別という、日本語は、正しい。



posted by 天山 at 00:00| 性について5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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