40代の母親である。
イケメンの息子がいる。女の子にも、モテる。優しい。とても、よい子だった。
ある日、息子が、母親に告白した。
僕は、ゲイだから、家庭を持ち、子供を持つことはないので・・・
母親は、絶句した。
お母さんは、理解してくれると思ったから、言っておくね、とのこと。
その回答者は、性向は、変わりません。
あなたが、唯一の理解者だから、告白したのでしょう。
さて、時代は、猛烈な勢いで、進んでいる。
ゲイという、少数派、マイノリティー。
エイズ患者という、マイノリティー。
様々な、少数派は、数多い。
隣に、そういう人がいる時代である。
偏見や、不寛容であることは、簡単なことである。
しかし、無理に理解することでもない。
隣の人が、何をしているのか、解らない時代でもある。
だが、いつ、自分が、少数派になるのかは、また、分からない。
住宅ローンを、払えず、家を、マンションを、手放す人がいる。
いつ、自分の身にも、降りかかるか、知れない。
この世は、自分の思い通りに、進まない。
昔の人、一寸先は闇と、言った。
その通り。
一寸先は闇である。
何故か。
生きている、自分が、生きているという、感覚は、およそ、意識の、3パーセント程度の、意識なのであり、他の、97パーセントは、分からないのである。
努力して、成功するなら、もっと、多くの人が、成功している。
努力しても、努力しても、駄目な人が多い。
運命を簡単に、変えられるほどの、知識も、教養も無い。
ただ、変えられたという、勘違いに陥ることは、出来る。
宗教である。
手品のような、奇跡が起こる。
単なる、心の持ち方の問題なのであるが・・・
宿命転換などと、全くの、見当違いで、会員を騙す宗教もある。
宿命の意味を知らない。
転換できないから、宿命と言う。
信じる者は、自己暗示で、そのようになる。
そして、騙される。騙されたことを、喜ぶ。
さて、セクシャルマイノリティーという、人々は、数多い。
ゲイのみにあらず。
ニューハーフといわれる、レディボーイ、レズビアン、性同一性障害・・・
それは、宿命的である。
あえて、宿命とは、言わない。
性向は、転換しないのである。
性向は、宿命である。
宿命的といったのは、彼らは、それを、世の中に、隠して生きることも出来る。
誰にも、知られず、生きることも出来る。
極めて個人的な、それは、性向である。
キリスト教、ユダヤ教原理主義者が、同性愛者を、虐殺する事件が、アメリカ、イスラエルなどで、続発する。
更に、イスラムでは、死刑の国もある。
偏狭な、教義により、少数派を、亡き者にしようとする。
極めて、個人的な、問題、性向の中に、政治や、宗教が関わる。
だが、その歴史を、見回すと、人類発祥から、そういう、少数派の人々がいたことが、分かる。
何が、彼らを差別するのかと、言えば、それは、不寛容であり、排他的だからである。
そして、それは、少数派だけではなく、他民族、他宗教にまで、発展する。
世界で、最も、性的マイノリティーに、寛容な国は、タイである。
だが、そこでも、差別はある。
それでも、虐殺や、宗教による、政治による、裁きは、無い。
そして、日本も、寛容な国として、知られる。
同性愛者のいない、国は無い。
更に、レディボーイのいない国は無い。
レズビアンのいない国は無い。
視野をグローバルにして、それらを、見つめる。
それは、未来を生きることになる。
彼らは、未来の人たちなのである。
紙一枚の、結婚という制度が、空洞化している。
一体、人間にとって、理想的な、家族制度というのは、あるのか・・・
無い。
あるわけが無い。
それらは、時代が、歴史が、緩やかに、作り上げてきたものである。
そして、また、緩やかに、変化してゆくものである。